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頭が痛い。
「やっぱ、頭を叩いても目を覚まさないか…
こうなったら、みぞおちに……」
瞳は、そう言うと腕を高く上げた。
僕は、目を開き叫んだ。
「起きたよ!!」
「なんだ、つまんないのー」
瞳は、口を尖らせて拗ねた。
「つまんないって?
ってか、頭が痛い……」
「そりゃ、そうよ……
私が殴ったんだもの」
「殴らないでよ。
たまには違う起こし方をしてよ」
「だから、今日は頭を叩いてみた」
「そうじゃなく、普通に起こして?」
「普通って何よ…?」
「優しく?」
「なんで疑問形なのよ?」