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 そして、チャイムが鳴る。
 授業がはじまる合図だ。

 久しぶりに真面目に授業を受けようかな。
 僕は、ノートとペンを持ち教科書を開いた。
 大抵の事は、たまに授業を聞くだけで前後の内容がわかる。
 たまに受けてみると、案外時間が立つのも早いものであっという間に放課後がやってきた。

「さぁ、帰ろうか?」

 水谷さんは、コクリと頷いた。

「お兄ちゃんって……?」

 帰り道、水谷さんが眉間にシワを寄せながら聞いてきた。

「えっと、それはね」

 水谷さんにも一部始終を話した。

「そうですか、そんなことが……」

「うん」

「優しいのですね」

「そんな事はないよ」

「優しいです」

 水谷さんは、少し強めの口調で言った。

「んー、今週の土曜日暇かな?」

 とりあえず話題をそらしてみた。

「え?」

「暇だったら、商店街とかぶらつかない?
 この辺のこと、まだわからないでしょ?」

「いいんですか?」

「うん」

「では、お願いします」

 とりあえず、土曜日の待ち合わせは完了した。
 って、何やっているのだろう
 僕は……

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