86
弁当を食べ終え、さぁ帰ろうかとしたとき見知らぬ女子生徒に声をかけられた。
「ちょっと澪!
今日、クラブさぼったわね!」
「あ、花子ちゃん……
ごめんなさい」
「私は、いいんだけど……
先輩が心配してたよ?」
「あ、わかった。
今すぐ行くね」
「じゃ、お兄ちゃん!
私、行くね!
またね!」
澪は、そう言うと走ってその女子生徒の方まで駆け寄った。
「お兄ちゃん……?」
水谷さんが、また眉間にシワを寄せている。
弁解は後でいいや……
俺たちは、そのまま雑談をしながら教室へと向かった。
「ちょっと聞きたい事があるんだけどいいか?」
教室に着くと早々菊池に声をかけられた。
そうだった。
まだ、コイツが残っていたんだった。