未来からの手紙
あみに本音を話してすっきりした。
抱きしめてくれて、撫でてくれて、励ましてくれて、俺はますますあみのことが好きになった。
できることなら彼女にしたい。
好きって伝えたい。でも、そんな勇気俺にはなかった。
部屋の片づけをしていたら、ある封筒がでてきた。
そこには「高橋優輝様」と書かれていた。
「誰からだ?こんなのもらったっけ?」
そして、封筒を開けて二枚の紙が出てきた。
手紙か?と思い開いてみるとそこには驚きの内容が書かれていた。
『初めまして。俺は現在22歳になっている。これを見ている俺は今暗闇のどん底にいるんじゃないか?ごめんな。本当ならこの手紙を早く渡して、幸せにしたかったんだ。でもな、無理だったんだ。この現実を知ってほしかった。この日に届くように設定してこの手紙を送った。』
なんだ…この手紙。俺から俺への手紙?
でも、なんで昔からじゃないんだ?なんで22歳の俺からの手紙がここにあるんだよ。
『じゃあ、なんでこの手紙を書いたのかというと。今の俺に選択肢を与えるためだ。』
選択肢・・・
『選択肢は2つ。現実を受け止めて生きていくか、現実を受け止めるのではなく過去に戻ってやりなおすか・・・だ。俺はどっちをえらぶ?李緒と付き合ってなければこんなことになんてなっていなかったよな。まず、中学の時に梨子のことを好きになっていなかったら、出会ってなかったらこんなことになっていなかったよな。選ぶのはお前だ。過去の方を選ぶのなら封筒の中に入っている黒のカギを使え。現実を受け止める覚悟があるならピンクのカギを使うんだ』
はあ?カギ?選択?こんな誰かのいたずらに決まってる。
二枚目を見た。
『でも、たぶん俺はこの手紙が怪しいと思っていると思う。だけど、本当のことだ。お前は李緒と付き合うことになり、別れ、誤解をされクラスメイトからいじめを受けるようになる。そして、サボり、父親に殴られ、あみに話を聞いてもらったんだろ?』
なんで…今日の出来事を知ってるんだよ
『信じてもらえるわけねえってわかってるけど・・・信じてほしい。ちなみに俺は今大学に通っていて、あみともお付き合いをしているぞ。でもな、俺もあみもこの出来事を悔やんでいたんだ。やっと、やっとやり直せるチャンスができたんだ。俺は今幸せだ。俺たちの過去は変わらないが、お前の過去を変えることはできるんだ。』
意味わからねーよ。カギが勇気なんてありえねーだろ。
そりゃあ、過去に戻ることを選ぶに決まってるだろ。
(私は、頑張ってる姿がかっこよくて好きだよ…)
あみの声が俺の頭に・・・
そうだ。もし、俺が今過去に戻るとあみとの思いで、全部消えてしまうんだ。
楽しかった思い出も、今日みたいに一緒に泣いて、優しくしてくれた思い出も。全部。
でも、過去を変えれば苦しむこともない。あみとの出会いからではなくて、李緒との出会いから変えればいいのだから・・・
・・・・・・・・・
カギを取ったが、このカギどうすればいいんだ?