裏切り
李緒に別れ話を告げられた。
バイト中、俺は集中ができなかった。
遅れていき、間違えてばかりで先輩からは「らしくない」と言われた。
さらに片づけもうまくできなくて結局先輩に押し付けるという結果になってしまった。
俺は早めに上がらせてもらいラインを見た。
『悪いけどもう無理。友達に戻ろう。今までありがとう』
というメッセージが届いていた。
『話を聞いてくれ』
俺はそうメッセージを送ったが返事はなかった。
他にもSNSでつながっていたがブロックされていた。きっと、ラインもブロックされたんだと思う。
李緒と別れた次の日学校に行った。
「おはよう」と普通にクラスメイトとあいさつをしたが、いつもみたいに返事は返ってこなかった。
返ってこないどころか無視をしてくるようになった。
俺はクラスメイトの男子に聞いた。
「なあ、みんな様子がおかしくない?何かあったの?」
すると、あるものを見せてきた。それは、SNSだった。
『まじうぜー。嘘をつくんならまともな嘘をつけよ。「付き合ってたやついたんだ」って。はあ?別れ話をした時に言うなや!』
というものだった。そのSNSの送信者は李緒だった。
「みんながこのSNSの投稿を見てさ、無視しようってなってるんだ」
それを聞いたとき全員が敵なんだと実感した。
俺は李緒にあれは誤解だと本当のことを話そうと思い、放課後話しかけようとしたが、李緒は俺が来たのが見えたからか逃げるように立ち去って行った。
まさか中学の出来事がこんなことになるとは思ってなかった。
さらに被害を受けたのは俺だけではなかった。
李緒はSNSであみと優樹菜ともつながっていた。
李緒とあみは一度会ったことがあるらしいのだ。だけど、俺と別れた瞬間にブロックされたというのだ。
李緒は俺と関わるのが嫌だけでなく、俺と関係する仲の良い友達との交流さえ嫌だったのだ。
そして、俺と弁当を食べてくれてたやつ、体育で一緒のグループだったやつまでもがそのSNSを見て俺から離れていく。
友達だと思っていたのは俺だけ。
俺ことを誰も信じようとはしてくれなかった・・・
俺は李緒にもクラスメイトにも友達だと思っていたやつにも裏切られたのだ。