別れ話
彼女である李緒とクラスメイトの加宮との浮気疑惑。
あれから三回も李緒が加宮といるところを目撃した。
俺はバイトをしていた。学校はバイトは禁止としているが、父親が
「社会の勉強のためにバイトしろ」
と、うるさかったため俺は美香ちゃんが働いている場所でバイトすることになった。
そのことは李緒も知っていた。
それから俺と李緒はすれ違うようになった。
ピコーン♪
『ねえ、優輝。明日の教科ってなんだっけ?』
ピコーン♪
『優輝?避けてるの?』
ピコーン♪
『ねえ!返事ぐらいしてよ』
ピコーン♪
『もうしらない』
といったメッセージがバイト中に届いていた。
『俺、バイト始めたって言ったよね?今日バイトだったの』
俺がそう言うと
ピコーン♪
『そんなの言われないとわからない。逆切れするなよ。しかもバイト始めたって言ってもうちの学校バイトそもそもやっちゃダメじゃん』
『それは父さんからしろって言われたからで』
ピコーン♪
『はい出た―言い訳。そんなん学校がダメだからって言えばよかっただけの話じゃん』
『俺だって言えたら苦労しないよ』
ピコーン♪
『そんなん家庭の事情じゃん。うちは知らないし』
と、いつの間にか喧嘩になっていた。
その喧嘩は一週間も続いた。
学校でも話をしようとしても逃げられ、避けられていた。
そして、ある日こんなメッセージが届いた。
ピコーン♪
『ねえ、私に嘘ついてることない?』
というメッセージだった。バイト前だった俺は身支度を整えていた。
『ないよ』
ピコーン♪
『嘘だ。私が初カノって嘘なんでしょ?」
え?どういうこと?なんでそんな話になったんだ?
『初カノだけど』
ピコーン♪
『嘘つかないで。梨子ちゃんが教えてくれたんだから』
梨子?なんであいつが出てくるんだよ。
ピコーン♪
『梨子ちゃんが優輝と付き合ってるのか聞かれて付き合ってるよって答えて、初カノって言われたことも言ったら「どんちゃん、前にも付き合ってる人いたよ」って言ってた』
俺本当に付き合ってないんだけど、誰と勘違いしてるんだろ。
だけど、説得しようとしたってたぶん無駄だ。俺はそう思った。
『一人だけ付き合ってる人いた。ごめん。嘘ついた』
俺はそう言った。そうすればすべてがおさまるって思って・・・すると
ピコーン♪
『サイテー。マジサイテー。私たち別れよう』
いきなりそういわれた。
『なんで?まず、そっちだって加宮と一緒にいたじゃん。浮気してたじゃん』
俺は見たことをすべて話した。
俺は嘘ついてないけど嘘ついたことにした。
だけど、そっちは浮気をしていた。そのことはクラスメイトだって知ってることだ。
ピコーン♪
『そんなの今関係ないことじゃん』
と、言われた。なにが関係ないの?そっちは俺より悪いことをしているわけじゃん。
なのになんで全部こっちが悪いみたいになるんだ。と強く思った。
でも、もうバイトの時間だった。
『ごめん。今からバイトだから話はバイト終わってからしよう』
俺はそうメッセージを送り、バイトへと向かった。