ミニ同窓会
俺は隆祥高校の1年6組の生徒となった。
まだ入学して一週間もたってないが自己紹介の影響で俺はクラスメイトから「どんちゃん」と呼ばれるようになった。
中学と仲間とは卒業以来会ってない。もちろんあみとも。
まず、あみの連絡先さえ聞いてなかった。
それもそうだ。俺は高校入学祝いでやっとスマホを買ってもらったのだから。
連絡先を知っているのは入学式二日後に招待された1年6組のグループと中学の時に教えてもらった由真の連絡先だけだ。
聞いておけばよかったと後悔している。
ピコーン♪
ラインの音だ。
由真からだった。
『どんちゃん、久しぶり。学校どう?」
『なんとか。まだ一週間もたってないし。」
ピコーン♪
『今日、いつものメンバーで会おうってなってるんだけど、来ない?』
いつものメンバーって・・・
俺は行くと言ってそのメンバーがいる隆祥中学校の校門の前へと向かった。
すると、高校の制服姿の由真と優樹菜、由香がすでに集まっていた。
「あ。どんちゃん、久しぶり~」
由香が俺に気づいた。それに続いて由真も優樹菜も。
「メンバーってこれだけ?」
「ううん。あとあみがいるんだけど・・・まだなんだよね。」
「でも、もうすぐくるって言ってたよ」
そう言って待っていると前方から赤いリボンをつけて灰色のスカートの女の子が走ってきた。
「ごめーん。遅れちゃった」
あみだった。走ってるときは気づかなかった。
中学校の時は一つで縛っており、前髪も校則があったため止めていたのに。
今は、髪をおろして前髪もピンで止めていなかった。
「雰囲気変わったね」
俺がそう言うと
「うん。校則がゆるい学校だから。せっかく高校生にもなったし」
と、笑顔でそう言った。
あみがきた後も二時間ぐらい話に盛り上がっていた。
制服がかわいいとか。学校どう?とかで。
その中でもやはり恋バナが盛り上がる。
「ねえ、彼氏できそう?」
それを言い出したのはあみだった。
「ううん。まず、私女子高だから男子いないし」
と、由香が言う。
「私はそもそも男に興味ない」
由真がクールに言う。
「私は・・・彼氏じゃなくてかっこいい子はクラスにいたよ」
優樹菜がそう言うと女子は盛り上がった。
「あみは?」
「私のクラスはほぼ女子クラスで男子は二人しかいないから。まず、うちの学校の男子はチャラ過ぎて無理・・・」
俺はそれを聞いて少しほっとした。
「どんちゃんは?」
「俺は・・・・まだ一週間もたってないから。わからないな」
「そっか」
なんか、視線を感じる。
女子の方を見ているとあみがじーっと俺の方を見ていた。
「あみさんどうしたの?」
「思ったんだけど、どんちゃんなんでいるの?」
え・・・?来ちゃまずかったのかな。いや、俺は由真に呼ばれてきたわけだけど・・・
ちょっとその言葉は傷ついた。
すると、由真が言った。
「何言ってるの。どんちゃんを呼びたいって言ったのあみじゃん」
あみが俺を呼ぼうって言ってくれたの?
でも、さっきの言い方って俺がきてすごく迷惑みたいな感じじゃん。
「いやさ、確かに言ったけど。連絡先しらなくて、連絡もできてないのによくわかったなって思って」
そういうことだったのか・・・。
「それは、勉強会の時に由真さんから連絡先を聞いてて、俺が高校に入ってからスマホを買ってもらって登録したからで」
俺がそう言ってスマホを見せると、あみが俺に近づいてくる。
「ねえ、私にも連絡先教えてよ。高校別々でこれからも会いたいし、個人でも話したいからさ」
あみにそう言われて、俺はあみと連絡先を交換した。
中学校の時に聞けれなかったことが今聞けたことが嬉しかった。