高校生活
俺は今年の春、隆祥中学校を卒業した。
中学二年生の時に梨子のことが好きになりフラれた。
そして、二度と恋をしないと思っていたが、その一年後の中学三年生の時に隣の席の女の子あみに恋をした。勉強会に誘われたことがきっかけで話すようになった。
一度は不仲になった時もあったが、誤解・勘違いがあった。
また、前みたいに話せるようになった。
だけど、「好き」とは伝えない。
それは好きと伝えた後のことをどうしても考えてしまうから。
フラれて今までみたいに話せなくなることが怖くて告白をしなかった。
気持ちを伝えぬまま中学の卒業を迎えたのだ。
そして、今年の四月に俺は地元の隆祥高校に通うこととなった。
俺が好きだった、いや、今でも好きなあみは隣の市の農業高校に通うこととなった。
今では告白しなかったこと、告白することに勇気がなかった俺に感謝をしている。
だって、俺とあみは他校生となるわけだ。
だから、告白したとしてもどうせフラれるだけで自分がみじめな気持ちになるだけだった。
でも、このままういつまでもうじうじしているわけにはいかない。
俺は自分を変えるためにもあみへの「好き」という気持ちを封印をして高校へと向かった。
俺は母親の美香ちゃんと一緒に入学式へと向かった。
知らない人がたくさんいた。学校に入る前に校門の前の看板で写真を撮った。
「今日からここで新しい生活が始まるんだ」
俺のクラスは六組だった。
元隆祥中学校だった人は一人もいなかった。
完璧にゼロからのスタートとなるんだ。
「よし、名簿番号順に自己紹介をしてもらおう」
担任の先生がそう言った。みんなが自己紹介をしていく。
いろんな中学校からきていた。知らない人ばかりだ。
「次は8番の高橋君」
俺の番が来た。
「俺の名前は高橋優輝です。隆祥中学校出身で、中学校ではどんちゃんと呼ばれていました。よろしくお願いします」