第4話:仄暗い木の虚から
とある日
早めに湯船を掃除しようとお風呂場行くと何処からか大量の黒アリが入り込んでいたので薬剤を振りかけて殺虫しました。
また来られても嫌なので元を断つ為にアリのあとを辿って行くと家の勝手口側にある垣根の木の一部にアリが続いていました。
黒アリ殲滅の為に垣根の木や周辺に薬剤を振りかけアリが死んだのを確認した……その時!!
木の虚(うろ)部分から大量のG(ゴキブリ)が次から次へと湧いて出てきたのです。
「…ァ……く ぁ w せ d r f t g y ふ じ こ l p !?」
それを見た私はあまりの恐怖におののき鳥肌は総立ちし、声にならない悲鳴をあげつつも、それでも手に持った殺虫缶をGに向けてトリッガーが壊れるんじゃないかというくらい引き絞り薬剤を吹きかけました。
我に返った時には缶の中身がほとんど無く、足元には大量のGの死体が散らばってました、私はというと顔面は蒼白、鳥肌は立ちっぱなし、脚はいつ崩れてもいいほどフラついていました。
流石に至近距離から大量のGの逃走は肝が冷えたどころでは無く、よく幽体離脱(ザ・たっち)しなかったなと思いました。
楽しいアリ退治から一転恐怖のGラッシュアワーにあい、しばらくのあいだ私は魂の抜け殻よろしく壁に寄りかかり動く事もままなりませんでした。
なんとか動ける様になってから一応新しい殺虫缶を用意して2度とは無理かもしれませんがまたGの巣にならない様に殺虫剤を吹きかけ、念の為に殺虫粉を垣根全体に撒きかけときました。
親には垣根の木を切る様に言ったんですがけっきょくその垣根の木は切られることもなく今だに垣根の木は生えたままです。
※今日のニーチェ※
・怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。