第1話 くーるくる
――――朝。
まぶた色の暗闇にカラフルな珈琲を
俺はベッドを揺らさないように片膝を立てると、彼女が寝返りを打った。シーツの中の手が私の左手を探し当て、ぎうと熱を伝えてくる。
「おはよう」
「おはよ、起きてたのか?」
「ん、今起きたよ」
彼女は目を
からからと窓を開けると、4月の新しい風がぬるい部屋に動きを与える。
「
再びシーツにくるまった彼女に声をかけながら、ワンルーム併設のキッチンへ行き冷蔵庫を開ける。
「ん、お願ーい」
背中の方向から気だるい声と聞き慣れた
――――俺の名前は
右手と左手で
ボサボサになった髪、左に傾いた
彼女はテーブルへ移動し、
俺は、今日。この最愛の彼女と永遠の別れを迎える事となる。