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理香は、首を横に振る。

「理香……
 由香は、どこにいるのかなー?」

理香は、首を横に振る。
何度も何度も首を横に振る。

「理香!
 ママね、武くんと結婚するの。
 武くんと結婚するには、理香と由香を殺さなくちゃいけないの!」

 違う。
 アイツはもういない!

「だ・か・ら・ね♪
 理♪香♪由香の居場所教えて♪」

 理香は、首を横に振った。
 理香は、首を横に振った。

 “私”は、容赦なく理香の頬を叩く。
 理香の体が、地面に叩きつけられる。
 そして、“私”は、理香の体を踏む。

「やめて!」

 私は、“私”に叫んだ。
 でも、“私”には、届かない。

 何度も。
 何度も。
 何度も。
 何度も。

 “私”は、理香の体を踏んだ。

 理香の体が動かなくなる。
 泣き声が聞こえなくなる。

 顔を踏み。
 胸を踏み。
 嫌な音が響き渡る。

 私の意識が遠くなる。

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