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そんな平和な毎日が続く。
私のお腹がだんだん大きくなっていく。
「ママ。
お腹が大きいよ?
病気なの?」
理香が、不安そうな表情で私を見つめる。
私は、思わず笑いそうになる。
理香が可愛くて愛おしくて仕方がない。
「違うよ……
これは、赤ちゃんがいるの」
「赤ちゃん?」
「そう、お腹の中に赤ちゃんがいるの。
理香もこうやって生まれてきたのよ……?」
私は、優しく理香の頭を撫でた。
「私もママから生まれてきたの……?」
「そうよ。
だって、私は、理香のママなのだから……
理香、ママのお腹に耳を当てて御覧」
理恵は、ゆっくりと私のお腹に耳を当てた。
理恵の頭の温もりが、私のお腹にじんわりと広がる。
「これはなに?」
「ここに赤ちゃんがいるのよ」
「赤ちゃん?」
「そう、理香の妹よ」
「妹なの?」
「そう妹よ。
理香は、お姉ちゃんになるの。
お姉ちゃんになったら、妹を守らなきゃならないの」
「わかった!
私、赤ちゃんを守る!」
私と理香は、ゆびきりげんまんした。