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つらい。
くるしい。
「ごめん。
少し寝るね」
私は、自分の部屋に入った。
そして、そこでも泣いた。
声を殺していっぱい泣いた。
気が付けば夜になっていた。
晩御飯作らなくちゃ……
私は、涙を拭って一生懸命笑顔を作った。
「おはよう」
頑張っているけど不安な気持ちは、拭えない。
「どうかした?」
英雄さんが、優しい表情で私に尋ねる。
私は、首を横に振った。
「なんでもない」
「そっか……
今日は、僕がご飯を作ろうか?」
「え?」
「静、疲れているのだろう?
だから、たまには僕が作るよ」
英雄さんの優しさがとても痛い。
「パパ、ご飯作れるの?」
理香は、楽しそうに英雄さんに尋ねた。