13
朝が来る。
目が覚めても隣にママはいない。
泣きたくなった。
でも、泣く前にパパが、私の頭を撫でてくれた。
安心。
安心。
安心。
私の心は、温かい何かによって包み込まれた。
今日は、日曜日。
パパもお仕事がお休み。
朝になっても、ママは帰ってこない。
「ママ、遅いね……」
「うん。
遅いね……」
パパも何処か元気がない。
ママがいないせいなのかな?
パパが、元気ないと私も元気が出ない。
泣きたくなる。
泣きたい時には泣けばいい。
誰かが言った言葉。
幼い私にもわかる。
泣きたい時に泣いたら世の中すべてダメになる。
だから、私は、我慢した。
我慢して涙を堪えることにした。
12時を過ぎ、吉本を見ている時だった。
「ただいまー」
ママが、帰って来た。