04
シチューの準備ができたのか、ママが私を膝の上に乗せた。
そして、一緒にアンパンマンのビデオを見た。
一緒にアンパンマンを見ていると、玄関からインターフォンが鳴る音が聞こえた。
「パパかな?」
私が、聞くとママは嬉しそうに頬ずりをして答えてくれた。
「どうだうね?
理香、お出迎えしてくれるかな?」
「うん!」
私は、走った。
玄関に向かって走った。
ゆっくりと玄関の扉が開いた。
パパが居た。
パパが、両手いっぱいのお花を持ってニコニコと笑っていた。
「パパ!」
そして、お花をゆっくりと私の周りに置くと私を抱き上げた。
「理香!
誕生日おめでとう!」
「たんじょうび?」
私は、首を傾げた。
「今日は、理香が産まれた日なのよ。
わかる?」
ママが、答えてくれた。
産まれるってなんだろう?
私には、まだわからなかった。
「はい、ケーキ」
パパが、そう言ってママに箱を渡した。
「え?
ケーキ?」
私は、嬉しくてパパの腕の中ではしゃいだ。
「こら、暴れるな……」
パパが、苦笑いを浮かべて私の頭を撫でてくれた。
とても心地が良い。
気持ちが良い。
私の心の中は、幸せでいっぱいだった。