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しかし、フィサフィーには効かなかった。
「罪獏刀か……
じゃが、ワシには効かぬよ」
フィサフィーが眉を細めて笑う。
「んー
なんとなくわかっていたけど、ちょっとショックだね」
虎マスクの青年は、小さくため息を吐いた。
「罪が重ければ重いほど威力を発揮するその刀。
じゃが、ワシには罪などない」
「あんなに人を殺しておいてそんなことを言う?」
フィサフィーの言葉に虎マスクの青年は冷たい目でそう言葉を投げた。
「人を殺すことか。
そんなのただの戯れじゃ。
主らが虫を殺すとき罪悪感など感じておらぬじゃろう?
それと同じ――」
フィサフィーが、そこまで言葉を放つとそこから素早く離れた。
自ら足を爆破させその場から離れたのだ。
「セロ、主は相変わらず容赦ないのぅ」
フィサフィーがそう言って爆破させた足を修復させる。
「……生憎、僕はヒーローじゃないんでね。
卑怯と言われようともなんとも思わないよ」
セロの言葉にフィサフィーは笑う。
「セロ、裕也!
そして、新一!
主らは素質がある!ワシらのもとへ……
テオスの参加に入らぬか?」
「お断りだね」
セロは、そう言ってフィサフィーの方に手を伸ばす。
フィサフィーはそれを避ける。
「フォフォッフォフォ。
主に触られるのは少し厄介でな!
避けさせてもらうぞ!」
フィサフィーが、そういうと虎マスクの青年が拳を振り上げる。
「歩法第一章:序幕!」
そして、掌底をフィサフィーに浴びせた。
フィサフィーは口から血を吐いた。