04
――トールの館
「……なんかよう?」
トールは、そういって村人たちを睨みます。
「ようなんてあるか!
俺らはお前を殺しに来たんだ」
村人たちはそういってトールに向かって怒号を浴びせますが……
トールのオーラに敗けてしまいました。
ただ恐ろしい。それだけの存在でした。
この村人たちは、トールのことが怖かったのです。
たった12歳の男の子。
30を過ぎた男にも関わらず。
12歳の男の子に気負けしているのです。
嘆かわしいことに男たちは、トールが睨んだだけで男たちの足が凍りつきました。
「殺しに……?誰が……?
誰を……?」
トールが一歩近づきます。
男たちは、動けません。
しかし、たったひとり。
ただひとりだけ動けるモノがいました。
「俺の名前は、アースロック!
お前を倒す男の名前だ!」
アースロックがそういうとトールが指を上に向けました。
そして、アースロックに指を向けると一本の糸がスルスルっと現れアースロックの体を包み込みます。
「アースロックくん……
ああ、プッペのストーカーの?」
トールがそういって小さくうなずきました。
「君は女の子たちを沢山監禁しているんだろう?
それは、悪だ!」
アースロックがそういって体の軸を回転させ魔剣ウィスパーで糸を切り払いました。
「へぇ。
なかなか強いじゃないか」
トールは、そういって小さく笑います。
しかし、視線をアースロックから外します。
なぜなら、アースロックの後ろに凶悪なドラゴンが立っていました。
すると村人の男の一人が言います。
「ククククク。
こんなことがあろうとドラゴン召喚パックを買っておいたんだ。
高かったんだが極上の女を抱けるのだから安いもんだぜ!」
それを聞いたアースロックは少し驚きます。
「女を抱く?どういうことだ?」
「アースロック。
お前もプッペって子を抱きたかったんだろ?
そのためにトールを殺すんだろう?
そしたら、プッペって子はお前に惚れてなんでもいうことを聞くようになるぜ?」
男たちは、そういってゲラゲラ笑いました。
「騙したのか?」
アースロックは男たちを睨みます。
「……さぁ?
まぁ、ドラゴン10匹くらいいればトールのひとりやふたり……」
特殊な薬品で氷を溶かした男たちは剣を抜きました。
「ドラゴンがどうかされました?」
プッペがそう言ってマシンガンを構えます。
「プッペさん?」
アースロックが、驚きます。
何故ならひ弱なプッペのイメージしかアースロックにはありませんでした。
そして、その後ろにはサマーの存在もいました。
「冷却弾挿入です。
これよりドラゴンを駆逐します」
プッペがそういうとマシンガンをぶち当てられたドラゴンたちは一瞬で凍りつきました。
「ドラゴンたちが一瞬で……?」
男たちは驚き。
そして、腰を抜かします。
「今日の晩御飯はドラゴンのシャーベットでもよろしいですか?」
プッペがそういうとトールが答えます。
「肉は火を通そうよ。
あとドラゴンって爬虫類だよね?
美味しいの?」
「それは、サマーくんの腕次第です」
「え?俺、料理担当なの?」
サマーが驚きます。
「得意だよね?」
プッペがそういうとサマーが答えます。
「まぁ……
そうだけど」
「じゃ、決定です!」
プッペが嬉しそうに手をたたきました。
トールが気づいたときには、男たちの姿はありません。
しかし、すぐにトールは捕まることになります。
トールのまわりに国家警察が集まってきたのです。
「トールだな?
障害の容疑で逮捕する」
そして、トールは捕まりました。
それは、あっけなく一瞬でした。