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「結城弟、あとで職員室に来るように!」

「ちょっと、先生」

「とりあえず、水谷さん。
 今開いている席は、あの野獣の後ろしかないのだが」

「問題ありません」

 水谷さんは、そう言うと僕の席の後ろ座った。

 うわ。
 女子の視線が痛い。
 HRが終わると、僕は担任に呼び出され一部始終を話した。
 すると、担任は安堵の溜息をついたあと小さく笑った。

「そうか、そういう事情か……
 まぁ、あの子も前の学校で色々あったんだ。
 できれば、仲良くしてやってくれ」

 僕は、そう言われると軽くうなずいた。
 教室に戻ると瞳が僕の誤解を解いてくれたらしく、冷ややかな目を送られる心配はなかった。

 水谷さんは、クラスメイトたちに質問攻めにあっていた。
 無口であまり話したがらないタイプな為か、かなり戸惑っていた。

 よく見ると、容姿も結構可愛く。
 身長も小柄なため、特に男子達が集まっていた。
 水谷さんは僕の存在に気づくと小さく謝った。

「ごめんなさい」

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