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終わらない終わらない古の物語。
それは話を曲げられて作られた。
たぬきが、おばあさんを殺した極悪人。
うさぎが正義の使者でたぬきを倒す。
おじいさんが、たぬきとうさぎを従えて……
鬼を倒し、女鬼を陵辱し。
そして殺していった。
おじいさんは、みるみる姿が変わっていった。
おじいさんは、鬼から恐れられた。
正義と言われたおじいさん。
弱みを握り。
こうかつでそして強い。
そんな性格から、【ガイル】と呼ばれるようになった。
たぬきとうさぎには、このとき名前はなかった。
ガイルは、うさぎを犯しながら思った。
「おい!たぬき!うさぎ!ワシにもっと女を喰わせろ!」
ガイルは、鬼の表情でそういった。
ガイルにはもうおじいさんの表情はない。
赤い皮膚に鋭い牙。
もう、人間の面影などない。
人間というよりオークに近いだろう。
「もうやめてください。
何人殺せば気が済むのですか?」
うさぎは、泣きながらそういった。
「黙れ!」
ガイルは、兎人の自慢であるうさぎの耳を引っこ抜いた。
「あぁっぁっぁぁ」
うさぎは、泣くことしか出来ない。
たぬきは、ガイルに命令され色んな薬を作らされた。
たぬきが薬に関しての知識が豊富だったからだ。
そのため薬を作らされては、実験にと自分で服用させられていた。
そんなとき、たぬきはある能力に目覚めた。
蓄積した自分の痛みを1000倍にさせ無差別にばらまく力だ。
恐らくそれはガイルを一撃で倒せるだけの力があったのかもしれない。
しかし、ガイルの恐怖による支配によりたぬきはその力を使えずにいた。
でも、それを見逃さない神がいた。
その名をモトフミ。
モトフミは、部下であるフィサフィーに命じたぬきを殺そうとした。
たぬきは、抵抗しフィサフィーの部下1万人のひとりで倒す。
それによりたぬきは沢山の経験値を手に入れ。
さらに強くなった。
ガイルは、強くなったたぬきを恐れるようになった。
そして、ガイルもたぬきを殺そうと企んだ。
それは長い長い戦いの始まりだった。
ガイルは、神も人も天使も悪魔も魔族も全ての女を犯し殺していった。
男も子どもも老人は、容赦なく殺した。
フィサフィーの軍とたぬきとガイルの三つ巴の戦いがはじまった。
たぬきは、どうにかうさぎをガイルから引き離そうと考えたものの。
ガイルに締め付けられた鎖によりうさぎは逃げれない。
それだけでなく、あまりの恐怖によりうさぎの自我がなくなりはじめていた。
「……さてどうしよう」
たぬきは、幾万のフィサフィーの部下を見て考える。
考える時間なんてない。
「たぬきやたぬき!
さっさと死んで私の毛皮になりなさいな」
フィサフィーの部下であるバビロンがそういって金杯から水龍を召喚したぬきを攻撃させた。
たぬきは、能力を使い常にある痛みを水龍にぶつけダメージを与えて倒した。
たぬきの能力は磨きがかかり。
その攻撃力は生身でモトフミのシールドを弾くのではないかと思われた。
「さて、どうしたもんかいのう」
フィサフィーは考える。
どうすればたぬきを殺せるか。
そして、ちょこまかと動くガイルの存在。
ふたりの手によって自分の部下が消耗していくばかり。
まずはガイルを倒そう。
フィサフィーはそう思い自らガイルを倒しに向かった。
「ふん、爺か?
食えないやつだな」
ガイルがそういってフィサフィーに向かって斧を投げた。
しかしフィサフィーは飛んできた斧ごとガイルを封印した。
「まぁ、さっさとこうやって封印すればよかったかいのう」
ガイルが封印されると残ったうさぎがひとり震えていた。
「失せろ小娘」
フィサフィーがそういうとうさぎは、逃げるように去った。