第1話 妄想と始まり
私は妄想少女。
まぁ、自分で言うのもなんだけど。
妄想少女って言うより、オタクに近いかもしれない。
自分が主人公で...チートで...あぁ、それなら自分は男子がいいなぁ。なんて。
....キモいなぁ..とか、思ってないよね?
そんなことを思いながら私はベットから重たいからだを持ち上げるかのように、立ち上がる。
¨学校¨なんて所のどこが面白いのか。なんて思うが、実はよく妄想している。
スマホ依存ならぬ、妄想依存。とでも言うといい。
「はぁ、」
最近よくため息をつく。
私には妄想はあるとはいえ、それはあくまで妄想。
気づいてはいる。妄想は現実にならないってことぐらい。
でも、妄想するくらい、いいじゃないか。
......ため息をつくと幸せが逃げるなんてよく言うけど、それなら私の部屋は私の幸せでいっぱいなはずだと私は思っている。
「本当に、現実にならないのかな...。」
私はまたもやため息をつき、ドアを開く。
.....あれ、ここは...?
右も左も知らない場所。
いつものリビングの姿など、どこにもない。
あれ、知らない?
知らない。とは言い切れない景色。
周りの緑も、土も、青空も、すべてすべて
「あはは....まじか.....」
力が抜けて、地面に座り込む。
ーーーそこは、私の妄想した世界そのものだったのだ。
........私の妄想通りの世界...か。
『現実になってほしいな』なんていってたけど、本当に現実になるとこうも焦るものなんだなと実感する
それに、これからどうすればいいかなんてわからない。
「はぁ....」
ため息がこぼれる。と同時に私はあることに気づく。
「....え?」
いつもより低い声。それに、首がなぜか涼しい。
そう、私は"男"になっていたのだ。
男といっても感覚的だが、高校生くらいといったところか。
「ははは..」
無意識に苦笑する。
ーーーーあれこういうのって、可愛い女の子のハーレムになっちゃうんじゃないの!?
こういうときにも妄想できる自分って。なんて思うが、その通りだ。
私の妄想の世界なのであれば、そういうことなのだろう。
「うっしゃ!」
思わずガッツポーズをしてしまう。
「.....とりあえず、こういうのって冒険者登録..とかした方がいいかな?」
そう呟くと、街がありそうな方へと向かう
「あれ、もうついたの?」
振り替えるとそこには、"イエナスト"とかかれた看板がもうすでにおいてある。
.....イエナスト。
その名を私は妄想したことはなかった。
もしかして、妄想とは違う?
とおもったが、街の賑やかさ、
店の位置、雰囲気といいすべて私がすんでみたいなぁーとおもった街そのものだった。
「....はぁ、」
ため息がこぼれる。
この世界はもしかしたら妄想なのかもしれないと考え始めてしまう。
「もう、いや....」
あんなにも妄想が現実に!なんて思っていたけれど....
「もう、ぐだぐだ考えるのはやめよう」
そう呟き、冒険者登録をしてもらえる<はず>の店の前でとまる。
「冒険者登録をしてください」
なんて、言えたらいいのに。
冒険者登録をするといっても、今まで妄想しかしてなかったのだ。無理に決まってる...
そう思うと、自然とため息がこぼれる。
『あーあ、モンスターでも現れないかな』
ぶきもなにも持っていないくせにそう思ってしまう私がいる。
モンスターって、どんなのかとか気になる?と言われればやっぱり気になる。
【ピーンポーンパーンポーン
街に"ドライド"が現れました。
村人は直ちに避難を!】
街中に響く放送。
それを私は聞き逃すわけもなく、その"ドライド"というモンスターの所へと走っていった