27
「集まってなにをしているのかと思ったら……
なにしているの?」
13が、ドールに乗って現れる。
「あ、ごめんなさい。
私お邪魔ですよね?」
万桜がその場から離れようとする。
「えっと万桜さんですよね?」
13が尋ねる。
「はい」
万桜がうなずくと13の方を見る。
「マスターから貴方をパンドラ艦に迎え入れるように言われたんだ」
「マスター?」
万桜が首を傾げる。
「うん。とりあえずパンドラ艦に来て。
貴方の情報も欲しい」
すると万桜の携帯の電話が鳴る。
「あ、兄さまから電話だ」
「どうぞ」
13がそういうと万桜が電話に出た。
「万桜、やっと電話がつながったね」
「はい、兄さま」
「万桜、13くんは側にいるかい?」
「13さんですか?」
万桜は、13の方を見る。
「うん。僕が13だよ」
「はい、います」
「話は聞いているかもしれなけど。
万桜、君もパンドラ艦に合流してくれないかい?
ブリ男くんもいるから寂しくないだろう?」
「わかりました」
「うん、よろしく頼むよ」
電話の相手は、万桜の兄である六曜だ。
六曜は、万桜をパンドラ艦に預けることを決意した。
理由は簡単だった。
魔界もテオスによる攻撃を受け転送ルートを破壊されたからだ。
万桜は暫く魔界には帰れない。
六曜はそのことを万桜に伝えた。
「……そうですか」
「ああ。
それにもうひとつ悲しい情報があるんだ」
「なんでしょう?」
「カリュドーンの猪が魔界に来ている可能性がある」
「え?」
万桜の頭がまっしろになる。
「ルートを簡単に破壊できるのはヤツくらいなものさ。
単純な攻撃力ならテオスのボスであるモトフミを軽く超えるだろう」
「大丈夫なのですか?」
「まぁ、なんとかなるだろう。
とりあず万桜は、パンドラ艦に所属してくれ。
きっとそれが勇者になれる近道さ」
六曜はそういって笑った。
万桜はそれだけで少し安心した。