12
「はい。
亜金さんは、アンゲロスのところにいるみたいです」
マスターの言葉にシエラが複雑そうな顔をした。
「アンゲロス……天使ですか?」
「はい、天使です」
マスターの言葉に緊張が走る。
「そっか。
天使ならまだ安心か」
「そうでもありません。
亜金さんは、記憶がないようです。
いわゆる記憶喪失に近い状態ですね」
「まぁ、そのうち戻るだろ?
亜金を回収に行こうぜ!」
焔の声は元気だった。
「うん!行こう!」
「とりあえず。
パンドラ艦は、13の回収を優先でお願いします」
「え?」
シエラが驚く。
「13は、スタンレイと合流していますので……」
「そうですか……」
マスターの言葉にシエラは、小さく頷く。
「スタンレイ艦もアンゲロス艦に向かっているそうなので、どちみち合流は必要でしょう」
「了解。
とりあえず13を回収するぞ」
バルドがそういうとゆっくりと上昇した。
「はい」
シエラがうなずくと焔とともに上昇した。
向かう先はパンドラ艦。
パンドラ艦もアンゲロス艦と同じく空間魔法を使われている。
そのため中の広さは国レベル。
しかし、見た目はそれほど大きくないように見える。
それが空間魔法を使われた艦だ。
そして、3人がパンドラ艦の中に入る。
パンドラ艦が、静かに発進する。
沢山の人々を乗せて……
静かに走る。