04
「……本気で言っているの?」
13がジルに向かってそういった。
「なにか不満でもあるのか?
俺は誇り高きダークグラムのリーダー、デスペル=ジルベルトの息子だ!
勝者こそ正義!つまり俺が正義なんだ!」
ジルの目が赤く光る。
それは、本気であることを意味している。
「僕が知っているデスペルさんは、イジメとかはしないよ」
「親父のことを知っているのか?」
「まぁね……」
「今はそんなことはどうでもいいだろ?」
ホウキ頭の少年がそういった。
ホウキ頭の少年の名前は、ジャキ=ジャッキン。
射撃の達人だ。
「ジャキも落ち着きなよ。
あたしらが気に入らないのは亜金のドールの件だろう?」
黒髪の少女がそういった。
黒髪の少女の名前は、ベル=ベラ=ベロ
「そっか。
今日は始業式……
つまり君たちのドールの授与式だったんだね」
13が、なにか納得した表情でうなずいた。
「だからなんだ?
ってか、お前もエレ校の生徒か?」
「まぁ、その予定かな」
「……予定?」
「うん」
それを聞いたジルは笑う。
「だったら俺に媚を売れ。
俺の命令は絶対だ。
気に入った女が入れば言え。
俺の命令で抱かせてやる」
「君って腐ってる?」
「腐っても王は王だろ?」
ジルは余裕の笑みを見せる。
「君たちのドールは、なんだったの?」
「俺らは、ステルス機だ」
「いい機体じゃないの?」
「だろ?」
ジルが笑う。
「そうじゃないだろう?」
ジャキが眉をかしめる。
「そうだった。
なんで俺らより下民のコイツが!フェアリー機なんだって話だ!」
ジルがそういって亜金に殴りかかろうとする。
それを13が亜金の前に立ち、ジルを弾き飛ばす。
「やめなよ。
下民とかそんなの関係ないでしょ?
そういう意識だからフェアリー機に選ばれなかったんだよ」
「コイツ!言わせておけば!!」
ジャキが、銃口を13に向ける。
そして、銃弾を放つ。
13の腕に銃弾が当たる。
「銃で撃たれるとやっぱ痛いね」
13がため息を付いた。