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――それから数日後。
テオスの兵は散り散りとなった。
幹部クラスもどこかへ消えた。
アンゲロス&人類対テオスの戦いは人類の完全勝利となった。
「なんかあっけないね」
ボクが亜金に尋ねる。
「でも、実際僕らがいた世界のゲームってこんな感じじゃないのかな?」
「まぁ、ラスボス倒してお祭り騒ぎして『めでたしめでたし』だもんね」
「うん」
するとピロキが話に入ってくる。
「でも、現実じゃその後の世界は動くんっすよ」
「そうだね」
「そして、僕らにも役目はある」
13がそういうと小さくうなずく。
「どういうこと?」
ボクが尋ねるとジャキが答える。
「平行世界のモトフミを倒さなければ完全なる勝利とは言えない」
「モトフミは死んだんじゃないの?」
「うん。
逃げたんだ、別の世界に」
13がそういって言葉を続ける。
「要するに僕らには仲間がいる。
記憶が繋がって行くし共に戦ってくれるゲームで言うNPC的ポジションの人もいる。
つまり――」
13が、そういうと身体が光り始める。
「13くん?」
「僕らは役目を終えると記憶を失い。
また別の世界に行く……」
「そんな!!」
「これがモトフミを倒すまで永遠に続く。
ボク。俺は来世でもまたお前をイジメるかもしれない。
だが約束する。絶対に記憶を取り戻しお前を護る!」
ジャキの姿が消える。
「僕は、記憶と取り戻し。
仲間を集めるよ」
「そっか」
「じゃ、またね」
13の姿も消える。
「まぁ、あっしは適当に過ごすっす。
出会えたらまた仲良くしてやってくれっす」
ピロキの姿も消えた。
「……僕は僕のままで」
亜金がそういうとプレゲトンが涙を流す。
「別の世界でも私を見つけなさいよ!」
「うん」
プレゲトンは亜金にキスをした。
そして、亜金も消えた。
「ボクはどうなるんだろう」
するとベルゼブブが現れる。
「ボク。別れの時期だな」
「うん」
「咎人は殺されれば記憶をそのままで別の世界に行くことができる」
「そっか」
「ああ」
「じゃ、殺してくれるかい?」
「いいのか?
我はこの世界でまた悪さをするかもしれぬぞ?」
「そんときは、俺がてめえを殺す」
灰児と他の勇者たちが現れる。
「そうか」
ベルゼブブが笑う。
「ボク元気でな」
モスマンがそういう。
「この世界のことは僕らに任せるんだなぁ。
ひぃふぅ」
オーがそういって小さく笑った。
するとトールがゆっくりと近づいてくる。
「トールくん?」
「僕も咎人なんだ。
異世界に行ってもまた孤独なのかもしれない。
だけど、また君らに出会えることを祈るよ」
「うん。
約束だよ」
ボクがそういうとトールが小さく笑い姿を消した。
「じゃ、ボク。
気を抜いてくれるか?」
ベルゼブブがそういうとボクは頷く。
「じゃ、元気でな!」
灰児がそういうとボクは目を閉じた。
ドスン!
鈍い音とともにボクは命を落とした。