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「さーて、お立ち会い!
ここにいるのは、金色の瞳を持つモノ!
そこにいるお嬢さん、そこにいるお坊ちゃん。
経験値は欲しくないですか?
個々にある石をこの子に当てるだけで経験値が大量に貰えますよ!」
旅の商人によって購入されたボクは、経験値をあげる道具として扱われてた。
そして、子どもから大人まで沢山の人に石をぶつけられた。
痛い。
痛い。
痛い。
心のなかで何度もそう呟いた。
しかし、それも長くは続かなかった。
ボクが旅の商人に買われてから数ヶ月。
旅の商人とボクが移動中。
盗賊に襲われた。
旅の商人は殺され、ボクは再び連れさらわれた。
次にボクが連れてこられた場所は、コレクターの家。
「おやまぁ、キレイな金色の瞳じゃないかー」
コレクターの女は嬉しそうに笑った。
ボクは恐ろしくなった。
ここでどんな目に会うのだろうか?
それが怖くなった。
殺されることはないだろう。
死にはしないだろう。
殺せはしないだろう。
たが、痛みはある。
だから、怖い。
コレクターの女は、ボクに首輪をつけると部屋に連れてこられた。
その部屋は暖かった。
「ほら、タマ。
男を連れてきたよ。
この子の子どもを作るんだ」
コレクターの女は、そういってボクをタマと呼ばれる尻尾が3つ生えた獣人の女の子の前に突き飛ばした。
「子ども……?
でも、この子も子どもじゃ……」
タマは小さな声でそういった。
「口答えするんじゃない!
金色の瞳を持つ子どもを大量に生産して売ればウチのコレクターの数が増える。
これは素晴らしいことなんだよ!」
「わかりました」
タマは、ボクの身体を抱きしめボクが落ち着くのを待った。
「仲良くするんだね!」
コレクターの女は、そういって部屋を出た。