02
ボクは、銀行に入るとすぐにATMに向かった。
入っているのは数千円。
なけなしのお金。
そして、それを握りしめ銀行を出ようと決意した瞬間。
銃声が鳴り響いた。
「金を出せ」
男の声とともに悲鳴が響き渡る。
「さぁ、さっさとしろ!」
男たちは、顔さえも隠していない。
銃を構え楽しそうな顔をしている。
ボクのそばで女の子が怯えていた。
銀行強盗が顔を隠さない理由。
それは、その場にいるモノを全員殺す気なのだとボクは思った。
ああ、僕の人生もこれで終わりか。
いいことひとつもなかったな。
だから、抵抗することにした。
どうせ死ぬのなら……
銃弾で楽に死のう。
僕は、誰にも愛されない。
僕は、誰からも愛されない。
「さようなら僕の人生」
僕はそう呟くとその銀行強盗に素手で立ち向かった。
しかし、銀行強盗はプロではない。
一発で仕留めては貰えなかった。
複数の銀行強盗の蜂の巣にされた。
そして、最後の銃弾が頭に当たったとき……
ボクは絶命した。
何のために生まれ何のために死ぬのか。
ボクにはわからない。
ただただつらい人生だった。