反乱に、死はつきもの
ついに。
決戦の日、という訳だ。
今日は8月6日。建国記念日。
「やりましょう」
「作戦通りに」
ミカエとクリムが武器の用意を済ませる。
「俺は……いや、俺たちならやれる」
アベルも武器である鎌を肩に掛ける。
「……結羅さん、何か一言」
「……俺?」
「そうだよ、他に誰がいるんだよ」
クリムに無茶振りされた挙句、ミカエにも誰がいるんだと言われて何だかなぁ、という気持ちになった。
「んー……じゃ。」
俺はゴホンと咳払いをする。
「が、頑張るぞい」
「「「ぞい」」」
クリムは木の上に登り、俺とミカエは城内へ。アベルは城外からの工作だ。
「今日は建国記念日! さぁ、祝いましょう!」
建国記念日には国旗を買わなければならない。その国旗を持って凱旋をしてくる王に向かって旗を振るらしい。
ライオンの柄の国旗がパタパタと音をたててなびく。
馬車の中から民衆を我が物顔で見る王。
その時。
火薬の弾ける音がした。
頭から血を流して倒れていたのは。
王であった。
「ふぅ、なんとかなった」
クリムは、火縄銃を一本シャルルに渡して額についた汗を手で拭うのであった──
その頃、俺とミカエは城内に潜んでいた。
こちらへ帰ってくるあの王の側近を殺すためだ。
そんなこんなで二時間は経過しただろうか。
廊下から規則的な足音が聞こえてきた。
隙間から見てみると、それは側近の老人であった。
俺達は武器庫に隠れているのだが。
「いこう」
「うん」
俺とミカエはドアから飛び出し、その歩いている老人めがけて剣を振る────
「威勢のいい子供だ」
腰に掛けていた二本の剣で。
2人の攻撃を防いでいたのだ。
「私は<コーレイン>。私を討ち取って名を上げようとする者は、君たちかな?」
「くっ」
1度飛び退き、形成を立て直そうとした。
したのだが。
「かっ……は」
口からは血が。
腹には2本のレイピアが腹をえぐるように刺さっていた。
意識が遠のく。
まずい。
俺には、まだ為すべきことが────
「お目覚め?」
目が覚めた。
そこは、俺が前迷い込んだ、あの教会であった。
しかし、何か少し違う気がする。
「私の名前は冥界神<アヌビス>。死人を天界へ送るべきか冥界へ送るべきか見定める者さ」