三話 バレそうで怖い
チャイムが鳴り、休み時間になると川原さんのところに男子はもちろん女子までもが集まって質問責めをしている。
どんな質問をしているのかが気になって耳を澄ましてきいてみた。
内容はくだらなかった。
彼氏はいるの?とか……まぁいろいろだ。
あまりにもくだらなかったので、俺は白崎のところへ行くことにした。
白崎とは同級生でクラスは隣だ。
白崎もちょうど教室から出てきた。
「おーい、白崎」
「あっ、岩崎君。おはよう」
「おはよう」
何か喋らないと。
俺が焦っていると後ろから声をかけられた。
「へぇー、何か珍しいね。一真と白崎さんが話してるの。まず、この二人が話してるところ見たことない。何かあったの?」
そう声を掛けてきたのは紗弥だった。
「い、いや別に。何もないよ」
俺はとてつもなく焦っている。
紗弥にだけはばれたくない。
紗弥は昔から口が軽い。
だから、俺がいけない事をしていて紗弥に見つかった時にはこの世の終わりだとさえ思っていた。
ばれないでください、ばれないでください。
もうこうなったら、神頼みするしかない。
紗綾の方をチラッと見ると、何か考え事をしていたが、すぐに口を開いた。
「ならいいけど。白崎さん気を付けてね。一真とてつもない変態さんだから」
「そうなんですか?」
「ちがう、俺は変態なんかじゃない。紗弥、いらないことを言うんじゃない」
「べー」
あいつ何てこと言いやがるんだ。
そんなことをしている内に授業が始まるチャイムが鳴ったので、急いで教室に戻った。
そして、今日もなんとなく終わった。
俺は部活には入ってない。
サッカーが得意なのは、昔サッカー教室に通っていたからで、決してサッカー部に入っているからではない。
ちなみに、白崎はバレーボール部に入っている。
しかも、キャプテンをしてるらしい。
俺は学校を出て、真っ直ぐ帰路に着いた。
今日は何となく疲れたので、ソファーの寝転がっていると、そのまま寝てしまった