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「そんなことありません。あなたは素敵で可愛い女の子だ。風邪が治ったら一緒に桜を見に行ってくれますか?」

「もちろん。」

────

風邪が治り、二人で桜を見に行くと幾つか花開いていた。

「僕と交換日記から始めてくれますか。」

僕が春小町さんに逢ったら言いたかったことを口にすると、咲良さんは控えめに笑って首を傾げた。

「私でいいの?」

「あなたがいいんです。」

三年後、僕たちは同じように『春小町桜』の下で並んで花を見上げていた。

ハラハラ降ってくる花びらは二人を祝福しているようで。

「新しい『春小町桜』の言い伝えを考えたんだけど……」

[『春小町桜』を好きになった人には幸せがやって来る。]

「次に言い伝えを考える人はどんな人だろうね。」

二人でお喋りしていたら咲良のお茶の中にハラリと花びらが落ちてくる。

僕と咲良は顔を見合せ、笑った。

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