バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第15話 もう一人の異母弟登場

「おはようございます、ミレーヌ様」
「おはようシェリル。エリーシア、仕事の方はどうですか?」
「私までお招きに預かりまして、ありがとうございます。色々覚える事があって大変ではありますが、やりがいのある職場だと思っております」
「それは良かったわ」
 そしてミレーヌに目線で促されたエリーシアは、抱えていたシェリルをテーブルに下ろし、自身は椅子に座った。それを確認したミレーヌが、徐に自分の隣に座っている女性を紹介する。

「二人に紹介します。こちらが陛下の第二側妃である、レイナ・マルテ・リーヴァンです」
「初めまして、レイナ様」
「宜しくお願いします」
 神妙に二人は頭を下げたが、対する女性は朗らかに笑いかけてきた。

「王妃様やレオンから話は聞いていましたが、噂通り可愛らしい事。お会いできて光栄です、シェリル姫」
「ありがとうございます」
「エリーシア殿は、女性ながら他を圧倒する程の能力保持者と伺いました。素晴らしいですわ」
「いえ、滅相もございません」
(王妃様とは、また系統の違った美人……。生気溢れると言うか、赤に近い濃い金髪だからかしら? レオンの顔立ちは、間違い無くレイナ様系統よね)
 シェリルがそんな事を考えながら、レイナの顔をまじまじと眺めていると、侍女に先導された十歳前後の少年がレイナの元にやって来た。

「初めまして! カイル・シーガス・エルマインです! あなたがシェリル姉上ですね?  宜しくお願いします!」
 子供らしく元気一杯な自己紹介をして頭を下げたカイルを、シェリルは微笑ましく思いながら頭を下げた。

「はい、そうです。シェリル・グラード・エルマインです。初めまして、カイル殿下。猫の姿で失礼します」
「うわぁ、本当に猫だ。真っ黒で艶々で、綺麗だなぁ」
「えっと……」
 自己紹介が終わったと思ったら、期待に満ち溢れた目でにじり寄ってきたカイルに、嫌な予感を覚えたシェリルは、多少後ずさりした。すると予想通り、カイルが喜色満面で尋ねてくる。

「姉上、抱かせて貰って良いですか!?」
 そんな唐突な申し出をされたシェリルは思わずエリーシアを見上げたが、苦笑いで返された為、色々諦めて了承した。

「どうぞ、お好きなだけ」
「それから、身体を撫でても良いですか!?」
「構いません」
「やった――っ!!」
 歓喜するカイルをレイナが「いい加減になさい」と窘め、シェリルに向かって頭を下げたところで、それまでとは打って変わった冷え切った声が室内に響いた。

しおり