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相談サンパワー

 ある日の七色プロダクション休憩室。
 レッスンが終わった雛が、帰る前の一息をしていた。

「はぁ……」

 そんなため息を吐きながら、紅茶を飲んでいる雛だったが、それを見かけた1人の少女が休憩室に入ってきた。

「雛さーん!!」
「ふおっ!? あ、あかりさんどうしたんですか?」
「いえ、見かけたので。何やらナイーブのようですがどうしたんですか!」

 入ってきた夕日色の髪の少女は日ノ原(ひのはら)あかり、17歳である。
 アイドルとしては雛と同期ではあるが、かなり明るくアウトドアな性格なのもあってか、仕事が一緒になることは多くはない。

「そんな風に見えました?」
「はい! ため息をはいて青いオーラがでていました!」

 青いオーラってどんなのだろうと内心で雛は思うが、ひとまずその思考をおいておく。

「なんか最近、私だけおいていかれてるなって思って」
「ほうほう」

 雛が話し始めると、向かい側の席にあかりは座る。

「それは、あれですか。アイドル的な活動ですか!」
「いや、なんか美緒と佳奈が仲良くて。仲良くなるのはいいけど、ユニットの中で私だけおいてかれてる気がして」
「ふむふむ。つまり寂しいってことですね!」
「そ、そんな感じです」

 言ってる途中で、子供っぽいと思ってしまって雛はなんとなく恥ずかしくなってしまった。

「どうしたんですか! 風邪ですか!」
「い、いや、気にしないでください」
「そうですか!? でも、まあそれならアタックしたらいいと思います!」
「アタック?」
「そうです! 2人がなんで仲良くなったのか詳しく知りませんし、それどころかわたしの場合2人と話したことも殆ど無いですけど、とにかくアタックしてみるのがいいかと!」
「なんかうざがられたりしませんかね」
「大丈夫ですよ! 初対面でやったら、まあうざがられますけど……」

 あかりはそう言って、中を眺め始めた。

「そ、そうですか」
「はい……とにかく当たって砕けろです!」
「砕けちゃダメだと思います」
「多少砕けても、原型が残ってればどうにかなります!」
「た、たしかにそう……なのかな?」
「はい!」
「……ふふっ」
「な、なんで笑うんですか」
「いや、なんか、悩んでるの馬鹿らしくなってきちゃって……そうですね。ひとまず、あたってみます! 砕けない程度に」
「その意気です! 何事も全力が一番です!」
「はい、ありがとうございます。あかりさん」
「いえいえなんの! ではこれからわたしは撮影があるので!」
「お疲れ様です。がんばってください」
「はい!」

 そう言って、あかりは勢い良く立ち上がり休憩室からでていった。
 そんなあかりを雛は太陽みたいな人だなと思った。

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