『こぅろっさぁれぃたょの』
「ツギクル、アナリティクスにアクセス。
アクティブユーザーを確認。
うん、いい感じだわ。」
「ええっと、次は……対象ユーザーのモバイルデバイスを通じて、
前頭葉機能を経頭蓋直流電気刺激で強化。
シナプス伝達の代謝反応を向上……っと。」
「さぁ、気分はどうかしら?
頭は痛くない、Puzzler?」
「どうやら大丈夫だったようね。
それなら、改めて自己紹介させてもらうわね。
私は謎解きアプリ『S:I:R:E:N』の支援ユニット、
沙麗那:04よ。」
「神楽や美琴よりちょっぴり年上だけど、
Puzzlerは……お姉さんは苦手?」
「あら、ニューロンチェッキングプログラムが、
喜びから状況による分岐をした感情を検出したみたいよ。
ふふっ、貴方となら魅力的な時間を過ごせそうね。」
「じゃあ、謎解きバトルモードに移行するわね。」
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Title:『こぅろっさぁれぃたょの』
俺は小学2年生の担任をしている。
先日、国語の授業で生徒がこんな作文を書いた。
『わたしには、おねえちゃんがいます。名前は
「ごぇねぃんぁまぃえっにぉこぅろっさぁれぃたょの」です。
ほんとうの名前はわからないけど、わたしとあそぶときは
ずっと「ごぇねぃんぁまぃえっにぉこぅろっさぁれぃたょの」といってます。
だから名前だと思います。わたしとおねえちゃんは、
いつも2階のおしいれであそびます。
おねえちゃんは、お母さんとお父さんがいるときは
おしいれからでてきません。』
なんだこの作文?
不思議に思った俺は両親にこの作文を見せた。
しばらくしてこの一家は他府県に引っ越した。
やれやれ、最近は問題を抱えた家庭が多いな。
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「これで出題は完了よ。
今回の謎はどうだったかしら?
楽しんでもらえたなら嬉しいわ。」
「それじゃあ、また今夜、
夢の中で逢いましょうねPuzzler♪」