魔女喰い(さくら舞う)
キャーッ!
ハァハァハァハァ…
いやあーー!
誰か、助けてーー!
ハァハァハァハァ…
さくら「諦めな!逃げられないよ」
どうして!どうして私なの?
ハァハァハァハァ…
「お願い!来ないで…私は……」
さくら「ダメね。もう手遅れなの」
「私は普通に生活してただけよ!何も悪いことしてないわ」
さくら「それが罪なのよ」
くっ、なに!このクソアマ!ふざけやがって!
ふっ。でも馬鹿ね。私が闇雲に逃げてたとでも思ってるの。
ここは私のテリトリーよ。
「お願い!誰か助けて!」
「おい!大丈夫か?なんだ?何があった!」
ほら、居たわ。「きゃー!お願い助けて。この女が私を襲ってくるの!」
ほら、私の代わりに戦ってきな。
さくら「ふぅ、あらカッコイイお兄さんね。私の顔に免じて、その子と二人きりにしてくれない?」
「いや、そういう訳にはいかない。俺の彼女に何しよってんだよ。可愛い顔だからって、容赦しねえぞ」
はあ、何どさくさに紛れて色目使ってんだよ。この男もデレっと鼻の下を伸ばしてんじゃねえって。ハイヒールで男のつま先を踏みつけた。
「いてっ!」
「私を見て…そんな女に騙されないで…ぐすっ」泣き真似ぐらい見せてやるよ。
「お願い!その女を殺っちゃって…」前にも殺ってんだから、一人ぐらい簡単だろ。
さくら「止めといた方がいいよ。今逃げるなら手はあげない。その女から離れて逃げな」
「はあ?お前を俺の好きなようにもてあそぶ事だってわけねえんだけどね。やべえ。ヨダレ出てきた。へへへへへ」
そうだよ。お前はそういう男だろ。殺っちまいなって!ふふふふ。
バタッ…
はっ?なに?今何した?おい!起きろ!どうして、呆気なくあんた倒れてんだよ!
「ちょっ、何したんだよ!」
私は、目の前にいる女の溝落ち目掛けハイヒールのカカトを蹴り上げた。
女はひらりと身を交わしたかと思うと、私の足を掴み引き寄せるように、目の前10センチの密接ギリギリまで近付いてきた。足を掴まれていた為、とっさに避けることもできず、私の首を折るかのように、その女は両腕で掴みかかった。
クカッ!い、息が…
すると女は突然、接吻をしてきた。
思い切り首を締められたまま、生暖かな唇を感じ、やがて意識を失っていった。