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騎兵隊



飛び出して来た2人はしゃがみこんだ2人を目に入ったのか入らなかったかわからないが飛び越えて行った。

「ヒラオカ!洞窟内にガスが流れ込んでる!発砲するな!」

「コマツ、了解!」

「なんだ、このストリートキングなおっさんは!」

「それ言うならストリーキングだ、バカ!」

「殺すな、確保しろ」

走ってくる男の懐にコマツと呼ばれた男は入り込み、ボディに1発フックを入れて一瞬で見事な背負い投げを決めた。

「コイツ、ナンバーツーじゃないか?」

関節技に持ち込まれて身動き出来ない男の髭を掴んでヒラオカは驚いた。

立ち上がり、ぽかんと捕物劇を見守るえるのとべるの2人。

「おわった・・のかな?」

「おわったんじゃないかな?とりあえずみんなの元に行きましょう!」

そう時間がかからず外に出れたえるの達の目に飛び込んできたのはローターを回しながら停まっているヘリコプター。
そして、配られた毛布を受け取る一緒に脱出した女性や少女たち。
それと、先程えるのと出会ったヒラオカやコマツに似た緑色の服を着た男たちの姿だった。

「えるの!べる!こっちだ!」

黒いタキシード姿のビスマルクが岩場の陰から手招きしている。
先ほどまでの白いフクロウの姿ではなくて見慣れた初老の紳士がそこに立っていた。

「ビスマルクさん!」
「よかった、ご無事だったんですね!」
駆け寄るえるのとべる。

「2人とも良くやった。おかげで多くの罪の無い子供や女性を助けることができた、ありがとう。」

大型ヘリに乗り込む女性達を見つめる2人をビスマルクは背中に手をまわしながら

「あとは人間達に任そう。」

1人の女性がコマツと呼ばれていた兵士にたどたどしい英語で尋ねた。

「ありがとう、助けてくれてありがとう。あなた、お名前は?どこの軍隊なの?」

「私たちに名前も国籍もありません。・・そう、名乗るなら、オメガです。」



「おわった・・んだね。」
「そう、おわったのよ。」

ヘルメットを抜いではらりと流れた髪の毛の先に結ばれた青いリボン。

えるのはそっと解くとリボンを握りしめた。

「いや、まだ終わってないよ」

漆黒の大地に朝日が昇ってきた。
オレンジとエボニーのツートーンの世界が広がりはじめる。

「そう言えば、りぷーは?」

「私の背中で寝ちゃってるわい。」

ビスマルクにおぶさって寝息を立てているりぷー。

「あらあら・・」
「もう、この子ったら、もう!」

ビスマルクはステッキを振ると空間が歪み異世界への入り口が現れる。

RTB! おうちに帰ろう!





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