一番の親友
「一番の親友」っていう言葉は素敵だけど、なかなかどうして一筋縄ではいかない問題もはらんでいる。
すなわち「何をもって一番か?」という点だ。
私にとって一番とは、時、場所、場合。すなわち「TPO」によって変わってくるものだ。
例えば勉強では一番の親友はA子さん。勉強が苦手な私は、同じく授業についていけない彼女と仲が良い、
いつも二人で一緒に居残りをして、私がその中でも少しは得意な部分は彼女に教えてあげた。
スポーツならB子さん。足が遅い私はいつも彼女と一緒に走っている。
ご飯を食べる時はC子さん、家が貧乏らしく教室で食べるとひどく惨めになるから私といるそうだ。
家庭科の調理実習なら料理が下手なD子さんだし、美術でお互いの顔を描きあるのであれば絵が苦手なE子さん。
こんな感じで、私にとっての一番の親友は流動的である。
その分付き合いが浅いというかもしれないけど、私はいろいろな子達と仲良くやれる今の生活に満足している。
「おはよー。」
私は今日も、廊下に出されている机を戻しながら元気よく挨拶をする。