バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

戦闘

逃げようとしたが既に遅く捕まってしまったのだ。
そこで、俺は最後の抵抗をしたんだが無駄に終わったのである。
奴が言うには、このまま俺を連れていけばボスも喜ぶと言われたのだが、
俺にはどうすることもできなかったんだ。
ただ、一つ言えることがあるとすれば、もしも俺が死んだとしても仲間達が助けにきてくれるはずなので、
そういう意味でも安心していたのだが、そんなことを考えながら俺は意識を失ってしまったのであった。
そして次に目を覚ますと、そこは玉座の間だった。
どうやら魔王の部屋まで連れてこられてしまったらしいなと思っていると、突然声をかけられることになったのだ。
「フハハッ、久しぶりだなぁ? 勇者とやらよ」
と言ってきたのはなんと魔王だったんです。
それを聞いて驚いていると、さらに驚きのことを聞かされることになったんです。
それは、俺が今いるこの世界は現実世界ではなくゲームの世界だということです。
俺は、ゲームの世界に連れて来られてしまったらしいんだ。
そんな絶望的な状況にいる中、魔王が俺に問いかけてきたんです。
「お前に一つ聞きたいことがあるのだがいいだろうか?」
と言ってきたので素直に答えることにしました。
そうすると魔王は意外な質問をしてきたんです。
それは、何故俺なのか? という内容だったんですが、
どうやら奴は俺の噂を聞きつけたようで、仲間にさせたいんだと言うのです。
とても魅力的な提案でしたが俺はすぐに断わったのでした。
どうやら断られると思っていなかったようで驚いていた様子です。
理由は単純で俺には目的があるからでした。
つまり魔王を倒した後のことだけど、そうなれば仲間たちと一緒に世界中を冒険できるじゃないかと思いましたから、
断るに決まってます。
それを聞いた魔王が怒り出しましたが、こっちだって殺される訳にはいきませんから必死で逃げ回って時間を稼ぎました。
その結果、魔王の攻撃を避けているうちに隙ができたようでその一瞬を突いて攻撃するとダメージを与えることはできました。
しかし、致命傷を与えることができずに逆に追い詰められてしまったのです。
「くっ、今のは少々危なかったぞ!」
と言いながらこちらを睨む魔王の目は血走っていました。
明らかに冷静さを失っています。
このまま戦うのは非常に危険だと思ったので逃げ出そうと思ったんですが、
入口には魔法使いが待ち構えていたようで逃げ場を失ってしまいました。
それでも抵抗を続けようと剣を振りかざした直後、
再び背後から誰かに声をかけられたような気がしたので後ろを
振り返ったんですが誰もいなかったんです。
不思議に思っていると、今度は背中が熱くなっていることに気付き恐る恐る見てみると、
背中から心臓目掛けて突き刺さっているナイフがあったんです。
しかも、その状態で俺は魔王に倒されてしまいました。
(ああ、これで俺は死んじまったんだな……まあでもいいか……最後にあいつと一緒に冒険することができたし満足だよ)
そして俺は、そのまま意識を失おうとしていたんだけど、まだ続きがあったんだ。
それは、息絶えようとした時、全身から黒いオーラが現れて俺の体を包み込むと、
意識だけが残っていて自由に動けるようになったので、目の前にいる魔王に対して復讐する為、
まずは魔法使いに呪いをかけることに成功したのだ。
それから俺は、今度は戦士に同じ呪いをかけることで、
仲間同士で戦うように仕向けることができたのだが上手くいくかは正直賭けでもあったがやってみることにしたのだ。
まず最初に魔法使いから始めると彼女は、最初は戸惑っていたが次第に
状況を理解したらしく俺を殺そうとしてきましたが無駄に終わったのです。
何故なら俺が彼女を殺した直後に背後から気配を感じ振り向くとそこには戦士が立っていたのです。
彼は怒りに満ちた目で俺を睨みつけながら近付いて来たんですが俺は、
不敵な笑みを浮かべながら剣を構えたのだった。
その瞬間、激しい衝撃音が鳴り響いたかと思うと俺の体に痛みが走ったんです。
どうやら刺されたみたいです。
でも、この程度の傷なら全く問題ありませんでした。
何故なら、 今の俺の体は全身が黒一色で染まっていましたし、
何より今まで以上の力を実感することができたので負ける気がしなかったのです。
そして、剣を手に取ると、目にも留まらぬ速さで動いて戦士を切り裂いてやりました。
その一撃で片がついたと思ったのですが、奴は全くダメージを受けていない様子だったので
すぐに距離をとって様子を見ることにしました。
だけど奴は、気にすることなく襲ってきたので覚悟を決めて立ち向かうことに決めました。
まず最初に奴の動きを止める為に魔法をかけようとしますが、
その前に腕を掴まれてしまったので身動きが取れませんでしたが、
次の瞬間、奴が突然苦しみだし始めました。
どうやら奴の体の中で毒ガスが放出されてるみたいだったので、それを吸い込んだことで苦しんでいるようでした。
ですが、それだけではなかったのです。
突然、地面が激しく揺れ始めたかと思うと天井が崩れ始めましたが、
その直後に瓦礫によって身動きが取れなくなりましたが、
それは同時に俺にとって好都合な展開となるのでありました。
何故なら奴の動きを封じることができるからです。
しかも身動きが取れなくするだけでなく息もできないようにしてやればいいだけだからね!
俺はゆっくりと近づいていくと、剣を胸に深々と突き刺してやりまいた。
その後、すぐに剣を抜いて今度は首を刎はねた後、
心臓目掛けて一刺ししてやるつもりでいましたが既に死んでいたみたいでした。
やれやれ、手間取らせてくれたもんだよ全く……と心の中で愚痴ってたら、
急に目の前が真っ暗になって何も見えなくなってしまったんだ。
そして、意識が薄れていくと共に全身の力が抜けていくような感じがしてきて、
そこで完全に意識を失ってしまいました。

しおり