それは空想科学
予言書のつもりはなかった。面白い小説を書きたくて、地元で昔おきた大地震を題材にして、現在、同程度の地震が起きたらどうなるのかと、現在の行政が、どう動くのか、どれぐらいの被害者がでるのかと、色々と資料を集め災害に対応する人々をなるべくリアルに描いたが、本が出た直後は、売れずに話題にならなかったが、その本の内容と同じような地震が起き、未来を予言した本として、地震を予言した運命の書と呼ばれてバズって、テレビでも紹介されて、重版が決定したまでは、良かった。その地震で犠牲になった遺族らが、自分たちをだしにもうけていると騒ぎ出し、その本の売上全部、被災者に寄付すべきという風潮が強くなり、仕方なく、多額の寄付をしようと考えていたところ、震災で家族を亡くした少女が逆恨みで、自分たちの不幸を売り物にしていると襲われて刺されて命を落とした。