本物の愛
まだ、付き合い始めて三ヶ月程度の頃、友人の車に乗っていた彼が、事故で、あっけなく死んだ。遺体の損傷が激しいとかで、お葬式のとき、彼の姿を見せてもらえなかった。
だが、彼は私を子供のように脅かすのが好きで、死んでからも幽霊として、私を驚かせに現れた。最初は本気で怖がっていたが、幽霊でもいいから彼に再び会いたいと思っていたから、私は怖がりつつ、こっそりとうれし泣きをしていた。幽霊の彼の姿は、事故当時のままで、ちょっとグロかったけど、二度、三度会いに来てくれるうちに慣れてしまった。それに、どんな姿でも嫌いにならないというのが、本物の愛だと思う。