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驚き

「それなら私が代わりに泊まります」
ってね。その言葉に俺は耳を疑ったよ。
だって、普通言うか!?
ていうか、いくら何でも無理があるだろ。
そう思った俺は慌てて止めようとしたんだけど間に合わなかったんだ。
そしたら案の定断られちゃったみたいで、結局野宿することになっちゃったんだよ。
まあ仕方ないと思って諦めていたら、今度はテティが自分から言い出したんだ。
「なら、私が変わりましょうか?」
ちょっと待ってくれ!
流石にそれはまずいだろうって思った俺は全力で拒否しようとしたんだけど、
その前に遮られてしまって何も言えなくなっちゃったんだよ。
結局押し切られる形で了承する事になっちゃったんだけど、
大丈夫なんだろうか、色々と心配だな、そんな事を考えながら眠りについたのだった。
翌朝になると、いつも通りの時間に目が覚めたのだが、何か違和感を感じて起き上がろうとすると身動きが取れなかったことに気づいた時には既に手遅れだったみたいだ。
何故なら、いつの間にか俺に抱きついてきていたテティに拘束されてしまっていたからだ。
そのせいで全く動けない状態だったのだが、無理に引き剥がすわけにもいかず途方に暮れていると、
不意に声をかけられたことで正気に戻ったようだった。
声の主はもちろん彼女のものだったわけで、驚いた拍子にバランスを崩してしまったせいでベッドから転げ落ちてしまったのだが、
幸いにも下には何も敷いてなかったから怪我せずに済んだようだ。
ホッとしたのも束の間、今度は別の意味で慌てる羽目になったのだ。
というのも、起き上がった彼女がいきなりキスしてきた上に舌を入れてきたからだ。し
かもそれだけではなく、両手を背中に回して抱き締めるようにしながら貪るような激しいキスをしてきたのだ。
あまりの気持ち良さに頭が真っ白になりかけたところでようやく解放されたと思ったら、今度は耳元で囁かれてしまったのだ。
「おはようございます、旦那様」
その言葉を聞いた瞬間、ゾクッとしたものが背筋を走る感覚に襲われたもののなんとか平静を装って挨拶を返すことに成功したのだが、
内心はかなり動揺していたりする。何しろ相手は年端もいかない少女なのだから当然と言えば当然だと思うのだが、
いかんせん見た目が可愛いすぎるものだから尚更意識してしまうんだよねこれが。
とはいえ、いつまでもこうしているわけにもいかないと思った俺は思い切って聞いてみることにしたんだ。
まずは何を言うべきか迷った末に無難な挨拶をすることにしたんだが、それが失敗だったようだということを直後に思い知らされることになるとは思わなかったぜ。
というのも、次の瞬間には何故か悲しそうな表情を浮かべた後で俯いてしまったから何事かと思って驚いていると、
突然抱きつかれたかと思うと泣き出してしまったからである。
「どうして私を避けるんですか」
突然の出来事に戸惑いつつも宥めようとするものの一向に泣き止む気配を見せないので困ってしまった俺は仕方なく正直に話すことにしたんだ。
「ごめん、別に避けてるつもりは無かったんだけどさ、どう接していいのか分からなくてつい避けるようなことしちゃったんだと思う、本当に申し訳ないと思ってるよ」
そう言いながら頭を下げたわけだが、
それでも泣き止まなくて困っているところに更に追い討ちをかけるように畳み掛けてくるような発言が飛び出してくるとは思わなかったな。
「じゃあ、これからはもっと優しくしてください!」
そんな要求に対して即座に頷く以外の選択肢はなかった。
だって断る理由もないし、そもそも断る権利もないからね。
というわけで、それからしばらくの間二人で過ごすことになったわけだけど、
その間ずっと手を繋いだままだったせいか妙にドキドキさせられっぱなしで大変だったんだぜ。
おまけに寝る時も一緒じゃないと嫌だとか言い出す始末だから、 あの時は本気でどうしようかと思ったくらいだ。
それでも何とか説得に成功したおかげで一安心だと思ったんだが、それも束の間のことで今度は裸で迫られるっていう事態に見舞われて、大変ってわけなんだ。
これが、そんなわけで、今はというとベッドの上で彼女と抱き合っているところなんだが、どうやら彼女も限界が近いらしく
息遣いが激しくなってきているのが分かるくらいだ。
俺もそろそろ我慢の限界だったので最後に思いっきり突き上げてから引き抜いた瞬間に果てたんだが、
その時に盛大に噴き出した潮によって俺自身もビショ濡れになってしまったというわけ。
そんなわけでお互いに全身汗だくになってしまったわけだが、
「気持ちよかったぁ〜」
と言って満足そうな表情を浮かべている姿を見るとこっちまで嬉しくなってくるんだよな。
そんなこともあって、ついつい頭を撫でてしまうようになったんだけど、そうすると嬉しそうに目を細めるところもまた可愛らしいと思ってしまうのだった。
そこでふと気がついたことがあったので聞いてみたところ、どうやら彼女は人間ではなく猫人族というものらしいのだ。
なるほど、道理でこんなに甘えん坊なわけだと納得した。
俺はその後も彼女を甘やかし続けた結果、完全に懐かれてしまい離れようとしないどころか一緒に風呂に入ることになった挙句、
ベッドの中でも激しく求めてきて何度も何度も絶頂に達し続ける羽目になったのは言うまでも無いだろう。
もうダメだと思って諦めかけた時にようやく解放してくれたところで一息ついている私を見つめながら彼は微笑みかけてきたかと
思えば優しく頭を撫でてくれたことで安心感を得たせいか涙が溢れ出してしまった私を宥めるように抱きしめながら背中を擦ってくれた
おかげで次第に落ち着いていくにつれて羞恥心が込み上げてきてしまった。
私の気持ちを察したのかそっと離れて行くと最後に額に軽く口付けを落としてから離れて行った後ろ、
「気をつけて行ってくるんだよ?」
という言葉を残して部屋を出ていく姿を見送った後私も行動を開始した。
しばらく歩いて大通りに出る頃にはすっかりいつも通りの状態に戻っていたため足取りも軽やかに目的の場所へと
向かう途中何度かナンパされそうになるのを適当にあしらいながら進んでいたらいつの間にか目の前にあった建物の看板には
“冒険者ギルド”と書かれているのを目にした瞬間一気にテンションが上がった気がしたため勢いよく扉を開けると中に入った
瞬間に注目を浴びていることが分かったのだが特に気にすることなく歩みを進めていくと周囲から聞こえてくる。
囁き声に耳をそばだててみるとどうやら噂話で盛り上がっているようであった。

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