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「なんでそうなるかな。だいたい、会ったばかりだし」

「それがなに?時間なんて関係ないじゃない。一目惚れだってあるのよ。人を好きになるのはね、本能なの」

──この説得力は経験値の違いか?

「本能ねえ・・・あ、いや、違うからね。それはない」

「あっそ、まあ、天然記念物に聞いても無駄よね。自覚したら応援してあげるから言いなさい」

「なんの自覚だ・・・さっきまで紹介しろって言ってたくせに」

「そりゃあ、あんな男と街中歩いたら気分最高よ?でも、あたしは付き合う男は見た目より優しさ重視なの」

「・・・早坂さん、優しいよ」というか、過保護?

「あららら〜?乙女の顔になってませんかあ〜?」

「ニヤニヤするな!事実を言っただけ!」

「まあ、悪い人じゃないと思うし。あの人なら許すわよ」

──何目線?ふと、思い出した。「そういえば、早坂さん、春香に警戒されたって言ってたけど」

春香は少し驚いた顔を見せた。「鋭いわね・・・顔には出してないはずなんだけど」ボソッと呟く。

「なんて?」

「なんでもないわ。まあ、何かあったらお母さんに言いなさい」

「誰がお母さんだ」


今になって、わかった事がある。
早坂さんが人から見られるのは、美男子だからなのか。ただ、デカいからだと思っていた。
ということは、瀬野さんも美男子?頭の中で瀬野さんの顔を思い浮かべる。───判断不能。
そもそも、美男子の基準ってなんだ?好みの問題では?

こんな事を言うと、また天然記念物だのと馬鹿にされるから、絶対口には出さないんだ。

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