第五話🔖二度目のお泊まり
例の嫌がらせから二ヶ月、
朝来野さんと何度かお仕事が
一緒になったみたいだが
普通にしてくれてるみたいで
ホッとしている。
いくら、幸政さんがゲイで
僕の恋人だとしても
お仕事とプライベートは分けなきゃ駄目だよね。
それが僕に嫌がらせをしていた
朝来野さんが相手でも……
そんな嫌がらせも落ち着いた頃
幸政さんからお泊まりのお誘いがきた。
纏まった休みが取れたなら
ゆっくり休めばいいのにって
言ったら僕といるのが一番
リラックスできるからって言われた。
恋人になってから初めてのお泊まり。
そもそも、一回目は酔いつぶれてたから
カウントとしてはノーカンな気もするけど。
両親には友達の家に泊まるって言ってきた。
そういえば、母さんは幸政さんのファンだったな。
息子と好きな俳優が、
同性同士で付き合ってるなんて
夢にも思ってないだろう。
僕達の年の差は十二歳。
一回り違うからは干支が一緒。
そんな小さな共通点が嬉しかったりする。
今日は茉希さんがいないから二人きり。
幸政さんの専属ではない茉希さんは今日は
別の若手俳優さんの方のお仕事らしい。
なんだかんだで“三人”でいるのが当たり前に
なってたからちょっと違和感がある(笑)
恋人と二人きりというのは
嬉しいけどドキドキもするわけで……