いわく品
持ち主を呪い殺すといういわくの指輪や首輪、夜動き回る呪いの人形など、持ち主を必ず不幸にするというアイテムを遠くへ、太陽系の外に捨ててしまおうという一見バカげた計画が実行された。計画の立案者は、大富豪で、妻が呪いのダイヤというものを手に入れてしまい、それ以降、不幸続きの大富豪が宇宙事業に出資し、太陽系外に飛び出す探査機にその呪いの品々を詰めて打ち上げた。遠く宇宙の果てに送り出してしまえば、呪いなど恐れるものではないと考えての行動だったが、数年後、宇宙に捨てたはずの呪いのダイヤが彼の元に戻って来た。
警察が国際的窃盗団のアジトを摘発した際に、そのアジトに宇宙に行ったはずの呪いの品々があり、警察が、所有者である、その大富豪の元に届けたのだ。大富豪は、宇宙に送ったはずなのに帰ってきたそれらに恐怖し、数日後に原因不明の心臓発作で死亡した。その品々は呪いの力で帰って来たのではなく、探査機を打ち上げる際に、呪われているとはいえ高価な宝飾品がもったいないと窃盗団がこっそりと盗み出し、今日まで隠し持っていたのだった。