恩返し
「ところで」
ユブメが切り出した。
「シラネさんはまだ新しいパーティーを探しているようですね」
「お恥ずかしいことに」
「シラネさんが良かったらなんですけど、いくつか紹介しましょうか?」
「え、マジで?」
「はい」
一瞬ユブメのことが女神に見えた。
「マジか……それはめちゃくちゃ助かる。是非ともお願いします」
「分かりました。お任せください」
「君、いい奴だなぁ。優しい! 素敵! 最高!」
「にへへ。まぁちょっとした恩返しですよ」
返されるような恩を売った覚えはないが、本人がこう言っているのだから素直に受け取っておこう。