桜の木の下に死体
「死体なんてあるわけないだろ」
「でも、見てみろよその桜の下の辺り、最近誰かが地面を掘り返した跡に見えないか?」
「そうか? ま、実際に誰かが掘った跡だとしても、どうせ埋まってるのはペットの猫とか犬の死骸だろ。桜の木を墓石代わりに桜の下に埋めたんじゃないか」
「なら、掘って確かめようぜ。ペットの死骸だとしても、とにかく確かめよう」
「おいおい、きちんと骨になってたらいいけど、まだ埋めたばかりで、桜の下で腐ってる途中だったら、俺見たくないぜ」
「いいさ、別に。俺一人で掘り返すから、お前は離れてろよ」
「おい、どうしても掘り返す気か?」
「ああ、このままじゃ気になって寝られない」
「ちぇ、しょうがねぇな」
「な、おい、なにを、する、うわっ!」
「ちぇ、また一つ死体を埋めなきゃならなくなっちまった。ついてねぇ」