怪物
「え? 私の後ろ姿が知り合いに似てた? 同じバックを持ってた?」
「すごい偶然ね。まさか、ナンパのつもり?」
「この首の傷? あ、見えちゃった? スカーフでうまく隠してたつもりだったんだけど」
「ゾンビじゃないわよ、どっちかっていうと、フランケンシュタインの怪物かな?」
「そう、首から下が、あなたの知り合いの肉体ってこと。臓器提供ってあるじゃない、あれと同じ、首から下をいただいたというわけ」
「どうする? 遺体ドロボウって警察に連絡する? そうしたら、いたずら電話と思われるだけで、あなたまともに相手してもらえないと思うわよ」
「それに、火葬にして処分するより、こうやって、私が使ってあげた方が、有意義だと思うけど」