第二四話☆同窓会
高校時代の皆に会うのは卒業式以来で楽しみだ。
開催場所は意外と家から近い所だった。
最初、理香は部外者だから留守番してると言っていたのだが
私たちにとっては家族同然なんだから一緒に行こうと誘った。
絢菜と侠耶君も居るから大丈夫だろう。
「華蓮」
会場に入って最初に私を呼んだのは教師であり姉の麻柚夏だった。
『お姉ちゃん』
最後に会ったのは何時だったっけ?
「久しぶりね
隣に居る子が今、一緒に住んでるって言ってた子?」
『そうだよ』
理香に麻柚ちゃんの紹介をしていると絢菜たちが来た。
「華蓮、この間ぶりだね
佐川先生と仲直りした?」
あっ、絢菜のバカ……
「なに、あんたたち喧嘩なんてしてたの?」
つい目が泳いでしまった。
『ちょっとしたくだらないことよ』
それがね、
と絢菜が麻柚ちゃんに話始めて、
他の卒業生と話てるマー君を睨みつけていた。
「喧嘩の原因は?」
ため息を吐いた後、此処数ヶ月の話を
一つ一つ説明していった。
「本当にくだらないわね」
呆れた様なため息を吐かれて眉が下がってしまった。
『だから、最初からそう言ったでしょう』
話が一段落ついたところで少し離れた所にいた
一人の女の子が麻柚ちゃんを呼んだ。
「呼ばれたから行ってくるわね」
私たちから離れてその子の方へ走って行った。
「浅葱先生は何時までも人気よね」
絢菜が呟いた。
そういえば、
卒業生なのに
麻柚ちゃんの所に
相談に来た子が
居たって
大分前にマー君が
言ってたのを
何となく思い出した。
自慢の姉だ。
そんな麻柚ちゃんを見送り、絢菜たちと
話てるともう一人の莉果が来た。
「三人とも久しぶり」
『久しぶり
そうそうこの子、鈴見理香、
今私ん家で一緒に住んでるだよ』
「同じ名前だね~」と莉果は嬉しそうだ。
「私、柿屋莉果、宜しくね」
二人は握手をした。
『今度、家に来てよ』
人数が多いのは大歓迎だ。
『何だったら彼氏も連れて来なよ』
からかう様に言うと莉果は顔を真っ赤にした。
お? この反応は図星かな?
「いつの間に彼氏出来たのよ?」
絢菜が茶化す。
「大学二年の時よ」
そっぽを向きながら莉果が答えた。
私たちが話してる間、理香は私の服の裾
握ったまま殆ど喋らなかった。
まぁ、わざわざ、こっちから話題を出さなくても
絢菜も莉果もよく喋る方だからなぁ~
そういえば、侠耶君もあんまり喋ってないかも。
お開きになったのは午後十時を過ぎたころだった。
「じゃぁね」
と会場を出て別れた。