572 ちびっこたちのひみつ任務
皆様、更新大変大変、遅くりまして申し訳ございません。やっと書けました。今まで体験したことない難産⋯こんなに何も書けなくなるなんて思いませんでした。
お陰様で、父の四十九日法要も終えることが出来ました。『七夕で都知事選挙に当てるなんて流石だよね』と親戚に言われて選挙思い出しました(笑)これから時間みつけて書きたいと思います。
そして、こちらも皆様のおかげで『転生初日に~』書籍化となります!去年の今頃には実は決まってたんですけど、報告出来るまで長かった。今月7月末発売予定です。どうぞよろしくお願い致します。前置き長くなりました。それでは、本編です。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
エル様とバートさんのむちゃくちゃ企画でお疲れ様な皆さん。結局、体力測定ってなんだったんだろう?
そんなことを思いながら温泉に入って英気を養ったあと⋯⋯
『よっしゃ!まずは風呂上がりの一杯で乾杯だな!』
『あんた!今日はビールは後だよ!これからまだひと仕事あるんだから牛乳で我慢しな!』
『む⋯⋯一杯くらい』
『あんた、酔っぱらいが作ったもんを子どもらに食べさす気かい?』ギロリ
『分かったよ。んじゃ、今日はフルーツ牛乳にするか』きゅぽんっ
『そうそう。そうしな』
『プハーッ!美味いな!』
『一気だね』
おかみさんにギロリと睨まれた親方。ビールを諦めて選んだのはフルーツ牛乳。なんか選ぶものがかわいらしい。
『ほら、サーヤちゃんたちも好きなのお飲み』
『今日はみんな頑張ったからね』
『きっといつも以上においしいよ』
「わぁい♪あいがちょ♪さーや、こーしーにゅーにゅー、おにぇがいちましゅ♪」
ぴゅい『いちごあじ、おねがいしましゅ』
きゅい『ふるーちゅあじ、おねがいしましゅ』
『ぼくは~サーヤと同じでお願い~』
『はいよ。サーヤちゃんはコーヒー牛乳、モモがいちごで、スイがフルーツ、ハクがサーヤちゃんと同じコーヒーだね』きゅぽきゅぽきゅぽっ
『蓋空いてるからね。気をつけて持つんだよ』
「あ~い♪」
ぴゅいきゅい『『は~い♪』』
『ありがとう~♪』
『どういたしまして』
おかみさんたち三人が下から元気に手を伸ばすちびっこたちに好きな味を渡してます。
「んっくんっく♪ぷはーっ」
ぴゅきゅ『『ぷはーっ』』
『『『『『ぷっはーっ!』』』』』
ちびっこたちもいい飲みっぷり!
「おいちいにぇ~」
やっぱり風呂上がりのコーヒー牛乳は最高です!
ぴゅいきゅい『『うん!』』
『冷たくておいしいね~』
『『うん!キンキン!』』
『『『あま~い』』』
みゃあ『ほっとするにゃ~』
『それは疲れてるからなのだ』
『『『分かるだ~』』』
『『『ぅ、ぅん』』』
きゅるるん『『『つむちゃんたち、だいじょうぶ』』』
きゅるるん『『『『そのうちなれるよ!』』』』
子グモちゃんたち、なんか悟ってる?
『サーヤ、お口拭きましょ』
『みんなもだな。風呂入ったのにみんなしてヒゲできてるぞ』
「あ~い⋯⋯ふにゅ」ふきふき
ぴゅきゅ『『いやぁん、ちゅよい~』』ぐいぐい
『あ、ごめん。中々落ちないからつい』
サーヤ、フゥで良かった。クゥ、サーヤの時は優しくしてね。
『おかみさん、作るってご飯ですか?』
『それなら僕たちが作りますから休んで⋯⋯イタッ』
バシーンっ!といい音がっ
『まぁた、あんたたちは⋯⋯』
おかみさんが春陽くんに背中にバシンッと一発⋯⋯
『前よりはいくらかマシになったけどなぁ』はぁ⋯
『でもまだまだだよな』はぁ⋯
『だな』はぁ⋯
『『え?え?』』おろおろ
親方たちにまでため息つかれて、春陽くんと山桜桃ちゃんおろおろしてます。春陽くんは背中さすさすしてます。
「だいじぶ~?」
ぴゅきゅ『『いちゃい~?』』パタパタなでなで
モモとスイが飛んで、紅葉みたいに赤くなった背中をなでなで。
『ぼく、治してあげる~』ぽわん
『あ、ありがとうございます』
『どういたしまして~』にこにこ
「ふお~」ぱちぱち
『『ぴゅいきゅい さすがなの~』』ぱちぱち
最近、すっかり簡単な治癒魔法に慣れたハクが、春陽くんのお背中のもみじを消してあげました。次はサーヤがなおしてあげるね。
『まったくねぇ。今日はみんな体力測定で疲れてるんだからさ』
『こういう時は子どもは大人に任せて休むんだよ』
『特に山桜桃たちは牛乳絞り大変だったしねぇ』
『『あ、あはは⋯⋯』』
『それは⋯⋯』
『ええと⋯⋯』
『大変でした⋯⋯』しくしく
『『『青葉、よしよし』』』
笑って誤魔化すフゥとクゥに、言葉を濁す山桜桃ちゃんと春陽くん。唯一、青葉ちゃんが素直に⋯⋯
「あおばちゃん⋯⋯」うりゅうりゅ
青葉ちゃんが泣いてる~。牛乳絞ってた時はみんなも無言で泣いてたもんね。
『青葉ちゃん、あそこまでひどいのは初めてだもんね~』
ぴゅいきゅい『『なかないで~』』
『『よしよし』』
『『『おかわりもってこようか?』』』
みゃあ『にゃにあじがいいにゃ?』
『元気出すのだ』
みんなでいつもの大きさになった泉の精霊さんたちと一緒に青葉ちゃんを慰めます。
『みんな、ありがとう』ううっ
青葉ちゃん、あんな本格的に巻き込まれたの初めてだもんね。よくがんばりました。でも、やっぱりかわいそう~。うりゅりゅ
『うおっほん!だからよ!』
『今日は俺らに任せろ』
『そうだぞ!まあ、ゲンみたいに凝ったもんは作れんがな!』
『『『ガハハハハ!』』』
親方たちのお料理?筋肉マッチョなお料理?きっとそれは
「ふぉぉぉ! おちょこにょりょーり!」
きっとお肉ジューっとか、ぼわーっとか、ごかいなやつ!
『サーヤちゃん、きっとそれは「豪快」だろうね。「誤解」になってたよ』
「ありゃ?しょーちょみょゆー⋯⋯」
『そうとしか言わないんじゃないかい?』
「きにちにゃい♪」にぱ
気にしたら終わりだよ!
『そうかい⋯⋯まあ、そうだね、料理に関しちゃ半分正解かね』
「う?はんびゅん?」こてん
『そう。私らは確かに肉や野菜を焼く気だったからね』
『今、ゲンと凛さんが何かやってるみたいだからね』
『楽しみにしてたらいいよ』
「ふおっ!?」
そういえば、おいちゃんとおばあちゃんが
『いないね~』
ぴゅいきゅい『『ほんとだ~』』
『大変っ』
『お手伝いをっ』
ぐいっ
『『きゅうっ』』
「ふおお?」
『だからね』ふぅ~
『『『任せなって言ってるだろうに⋯⋯』』』ふぅ~
おかみさんたちに山桜桃ちゃんと春陽くん襟首引っ張られて止まってます。
『働いてないと落ち着かねぇのかもな』
『休むのも仕事だと思え!』
『そうだぞ。健康な体あってこそだからな』
『『は、はい⋯⋯けほっ』』
大丈夫?でも、親方たちの言う通りだよ。
『よっしゃ!んじゃ、俺らは先いくけどお前らは後からゆっくり来い!』
『サーヤちゃんたち、頼んだよ』バチーンっ
「ふおっ!あい!!」
おかみさんのウインク!分かったよ!
『まかせて~』
ぴゅいきゅい『『あとでね~』』
みんなでおてて振っておみおくり!みんなで山桜桃ちゃんたちを足止めだよ!
「ゆすらちゃんっ!えっちょえっちょ」
『はい。なんですか?』にこにこ
「えっちょえっちょ⋯⋯」
何いえばいいかな?
『『サーヤ⋯⋯』』ふぅぅ~
『残念なところも可愛いです!』ぐっ!
フゥ、クゥ、なんで首フリフリしてるのかな?青葉ちゃん、何かな?
『山桜桃ちゃ~ん、ぼくおかわりほしいな~』
ぴゅいきゅい『『はるひくん』』
『『おかわりちょうだい♪』』
『『『サーヤもだよね?』』』
「あ、あい!ちょーらい♪」
わあ~みんなありがと!
『え?だめですよ』
『そうです。これからご飯ですし』
『飲みすぎはぽんぽんが冷えちゃいますよ』
「ふぇ~?」
『そんな~』
ぴゅいきゅい『『ちょっとだけ~』』
『『ダメです』』びしっ
「うにゅ~」
ぴゅいきゅい『『ざんねんなの~』』
『失敗だね~』ぼそ
『『だね~』』こくこく
手ごわいです。他を考えないと~
きゅるるん『『『ぼくらがつくったしんさくあるよ~』』』
きゅるるん『『『『みんなおそろい♪』』』』
きゅるるん『『『『『『『きがえようよ~♪』』』』』』』
きゅるる『ん。どれにする?たくさんある』
「ふおおっ」
ぴゅいきゅい『『おお~』』
『絹さんたち~』
みゃあ『たのもしいにゃ!』
『でも、出された量がすごいのだ』
『『うわぁ~』』
『『『ひーふーみーよー⋯⋯』』』
『妖精さんたち、四つどころじゃないんだな』
『『そうなんだな』』
『『『ぼ、ぼくたちは、このまんまで⋯⋯』』』
『つむちゃんたち、きっとにげられないでしゅ⋯⋯』
「ふおぉぉ」
たしかに、なんか絹さんたちだけじゃなくて、アイナ様とリノ様までなんか
『おめめ光ってる~?』
ぴゅいきゅい『『う、うん』』
やっぱり?
『あらぁ、この甚平さんだったかしら?肩涼しそうねぇ』
きゅるる『肩の切り返し、あえて子供たちの糸を編んでバッテンを繋げて開けてみた』
きゅるるん『『『『『『『えっへん!』』』』』』』
結葉様まで!でも、甚平さんかわいい!
『お母様!こちらも可愛いですわ!』
『サーヤちゃんの白いパジャマと同じ生地ですわね?』
『ニャーニャたちみたいなフードついてるにゃ!』
きゅるる『それはパイル地。お風呂上がりの汗も吸い取ってくれる。肩を冷やさないフレンチスリーブの動物フード付きパーカーと、しっぽ付きの短パンとセット』
きゅるるん『『『こんかいのモデルは』』』
きゅるるん『『『『ココロ!フライ!フルー!ぽぽちゃん!もえちゃん!』』』』
おお!ちびっこもふもふ!
『うふふ、かわいいわぁ~』
『『お母様もそう思いますわよね!』』
「ふぅおお~っ」
『サーヤちゃんも反応してるにゃ!』
にゃんにゃん!ももんがさん!おさるさん!もぐらさん!うさちゃん!
どれもかわいい~♪それにふわふわタオル~♪
きゅるる『肌ざわり質感にこだわった。お日様に干したようなふわふわ仕様。サーヤが飛び込みたくなるような⋯⋯』
きゅるるん『『『お母さ~ん』』』
きゅるるん『『『『もうとびこんでるよ~』』』』
「うきゃあああっっふわふわふわふわ~っ」ぱたぱた
『『こ、こら!サーヤっ!』』
「いやぁ~んっ」ばたばたっ
きゅるる『あら』
サーヤが既にもふもふにダイブしてスリスリしたり泳いだり⋯⋯フゥとクゥが慌てて回収
『うふふ、サーヤぁ、どれ着たいかしらぁ?もぐらさんなんてどうかしらぁ?』にこにこ
『サーヤちゃん!ここはニャーニャとお揃いはいかがですか?』
『そうにゃ!おそろいにゃ!』
みゃあ『ねぇね、ココロにゃ!』
『あら、アイナったら、絶対うさぎさんですわ』
『『サーヤ、サーヤっぼくたちもあるよ!』』
『わたちもあるだよ!』
自分がモデルに興奮するフライ、フルー、なずなちゃんに、ニャーニャとココロ。
「ふにゅ~」
どれもかわいい~
『あれ?絹さん』
『なんかこれだけ?』
サーヤがくちゃくちゃにしたお洋服を畳んでた山桜桃ちゃんと春陽くんが気づいた!
きゅるる『ふふふ。気づいた?それは今回の隠れたイチオシ』
きゅるるん『『『フライの』』』
きゅるるん『『『『ほおぶくろ~♪』』』』
『わあ~ぼく?』わくわく
『フライずるい~』
みゃ『『ずるいにゃ!』』
山桜桃ちゃんと春陽くんがフードの部分を広げて見せてくれると
きゅるるん『いつも思ってた。美味しいものを頬張るサーヤたちのほっぺた、フライが木の実を溜め込んだ顔にそっくり。かわいい。いつか再現したいと』ぐっ!めらめら
「ふおお?」
おてて、ぐう?
『あらぁ、絹がいつになく饒舌ねぇ』
『『目が燃えてますわ』』
『メラメラにゃ』
他のフードより明らかに横に大きいフライのフード。それは絹さんのこだわり!
きゅるる『パイル地のふわふわくたくた感が実現してくれるんじゃと考えた!』ぐっ
『確かにぃ~。この空気が入った膨らみ感がいいわねぇ』
『『はい。つつきたくなりますわね』』
『たまらないにゃ』
あれ?結葉様たちがまるで通販番組見てる人達みたいになってる?
きゅるる『でも、せっかく膨らませて着せても、ちょっとした拍子に潰れてしまうのが難点。改良の余地あり。まだまだ理想には及ばない⋯⋯』くっ
『『そ、そんなことございませんわ!』』
『すごい再現力にゃ!』
『⋯⋯』
あれれ?
『なんか、方向変わってきたよな?』
『う、うん。なんか、劇みたいな?』
『『は、はい』』
やっぱりクゥたちもそう思う?
『お、お母様が無言なのが怖いのは私だけかしら?』
『『『ううん。怖い⋯⋯』』』がくぶる
「ふお?」
青葉ちゃんと泉の精霊さんたちが震えてる?あ、結葉様がなんか考えてる?
きゅるる『まだまだ修行が足りない!でも、できることなら全員に来てもらいたい!』ぐぐっ
『き、絹さんがここまで力説なさるなんて』よろり
『迫力が違いますわ』よろり
『『負けましたわ』』がくっ
『いつ勝負になったにゃ?』
ほんとだね~
『⋯⋯絹、あなたの熱意は伝わったわぁ』
きゅるる『結葉様』
『この問題、かいけつできるかもしれないわぁ』
きゅるる『ほんと!?』がしっ
あ、絹さんが思いっきり結葉様の肩をつかんじゃった。
『付与魔法よぉ』
きゅるる『ハッ!付与魔法!』
『そうよぉ。おかみさんたちもやってるじゃなぁい。お鍋にぃ。えっとぉ、形状記憶?だったかしらぁ?』
きゅるる『そういえば、落としてもぶつけてもすぐ戻るから安心安全言ってた、アレを、布に?』
『そうよぉ。そうしたらぁ、かわいいお耳だって、大きなしっぽだって、たれ下がらずに上を向かせることもできるんじゃないかしらぁ?』
きゅるる『な、なんてこと!』ピシャーンっ!
「ふわぁ~?」
『雷~?』
ぴゅいきゅい『『落ちた~?』』
きゅるるん『『『『『『『お母さん』』』』』』』
効果音が聞こえそうなほど絹さんが衝撃受けてます。
きゅるる『今から、おかみさんに習ってくる』しゃかしゃか
『『ええ?き、絹さん、落ち着いてくださいませ!』』
『慌てなくてもあとで会えるにゃ!』
きゅるる『止めないで』
『『止めますわ!』』
「ふお~?」
なにこれ~?お遊戯会の劇?
『時間稼ぎいらなかったかも~?』
ぴゅいきゅい『『うん』』
『『もう少し』』
『『『みまもってみよ~』』』
「あい」
『『『『『うん』』』』』
山桜桃ちゃんたちもポカンって見てるもんね~
『うふふ~、それじゃあ、山桜桃、春陽ぃ。そろそろみんなを着替えさせましょうかぁ』にこにこ
『『は、はいっ』』
「ふぉぉぉ~」
こそこそ
『結葉様、ここまで計算して?』
『や、やっぱり恐ろしいな』
『『『『うんうん』』』』
フゥ、クゥ、青葉ちゃん、それ多分⋯⋯
にゅっ
『フゥ、クゥ、青葉もてつだうわよねぇ?』
『『ひぇっ』』
『は、はいっ』こくこくこく
ほら、聞こえてるよ。
そして
『そんなことがあってね~』
ぴゅいきゅい『『こうなったの~』』
『『み~んなで』』
「ふらい!!」
『ぼく!!』
じゃじゃーん!!
『なるほどな~』
『あらあらまあまあ、それで迎えに行くまで三文劇場みたいになってたのね』
「あい」
いくらなんでも、遅いからおいちゃんとおばあちゃんがお迎えに来ました。
『うん。でも、さすが絹さんのこだわり』
『ほんと。みんな可愛いわ』
「えへへ~」
『『『『『かわいい~?』』』』』
『『かわいいですわぁ』』ごふっ
『ご主人、リノ様、せっかくお風呂入ったのにやめてにゃ』
下から見上げるきゅるるんおめめとその下からのぞくニコニコ顔にアイナ様たちまた赤い水が⋯⋯
『あ~⋯⋯それじゃ行くか』
『あらあらまあまあ、そうね』
見なかったことにした!
「あ、あい」
『『『『『う、うん』』』』』
山桜桃ちゃんたち足止め作戦は、ちびっこたちによってではなく、結葉様と絹さんたちにより達成されたのでした。
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