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話題のお陀仏



「あーあやっちまったなあ」小田ブーツはメイドカフェの前で途方に暮れていた。このカフェの前に立つのも、今日が最後かもしれない。毎日のように足を運んだこの場所は、彼にとっての安らぎの場所だった。しかし、その安らぎも今はもう過去のものだ。次々とメイドたちに振られ、とうとう店から出禁になってしまったのだ。

この事態に至ったのには、いくつかの理由があった。まず、小田ブーツには重大な問題があった。両親からの過大な期待だ。彼は田舎の農家の息子で、大学を卒業したら故郷に帰り、家を継ぐことが期待されていた。そして、それだけではない。両親は彼に「東京から嫁を連れてこい」とはっぱをかけていたのだ。

焦った小田ブーツは、つい「もちろんさ。彼女がいるから」と両親に嘘をついてしまった。それが彼をさらに追い詰めることになる。彼女の存在を証明するため、彼はメイドカフェに通い詰め、メイドたちとのデートのアリバイ写真を撮るようになった。しかし、その行動がメイドたちを怒らせ、最終的には店からの出禁処分を受ける結果となった。

さらに、彼はラブコメディのネタを書こうとしていたが、彼女いない歴=年齢の彼には、そのネタを書くことは困難を極めていた。リアルな恋愛経験がないため、彼の書くラブコメは空想の産物に過ぎず、リアリティに欠けていた。

このように、小田ブーツは一つの嘘から始まった雪だるま式の問題に直面していた。彼の前には、両親への嘘、失恋、そしてキャリアへの挑戦という三重の壁が立ちはだかっていたのである。
ラジオネーム和台市の小田ブーツはラジオ北麻布の人気DJ番組「ぽんぽんリクエスト」のハガキ職人だった。しかし、彼のネタが読まれることはなかった。毎回、番組の最後に「ラジオネーム小田ブーツさんその他大勢の方からハガキをいただきました」と、名前だけが「その他大勢枠」で紹介されるどまりだったのだ。

小田ブーツは夢を追い求めていた。いつか自分のネタがメインで取り上げられ、有名なラジオネームになることを。しかし、現実は厳しかった。彼が送ったネタハガキはどれも採用されず、ただの一度もオンエアされることはなかった。

毎日、彼は新しいアイデアを練り、面白いと思ったネタを書き留め、ラジオ局に送っていた。しかし、その努力は報われないまま日々が過ぎていった。ネタハガキを書くたびに、彼はほんの少しの期待と大きな不安を抱えていた。読まれるかもしれないという期待。しかし、その期待はいつも「その他大勢枠」で終わってしまう。

この状況は小田ブーツにとってただの一つの挑戦ではなかった。メイドカフェでの失恋、両親からのプレッシャー、そして経済的な苦境。これらすべてが彼の心を重くし、彼の日々を暗くしていた。

「ぽんぽんリクエスト」へのハガキ送信は、彼にとっての一筋の光だった。番組のDJやリスナーに自分の声を届け、認められること。それが彼の夢であり、唯一の逃避路だった。しかし、その夢もまた、手の届かないものに思えていた。

「あはっはは。お笑いや。ピンチや。人生詰んだわ!何がぽんぽんリクエストじゃ。俺の人生はボコボコクエストや!」と小田ブーツは自嘲した。彼は自分の運命に嘲笑しながら、もう一杯ビールを注文した。店のテレビに映るラジオのニュースには、彼の耳を疑うような報道が流れていた。

ぽんぽんリクエストのプロデューサー、万年春男が人気女優パピヨン羅馬とのダブル不倫が発覚し、提訴されたという。万年は謹慎、番組は打ち切りとのことだった。それを聞いた小田ブーツの心は一瞬で凍りついた。番組が無くなれば、彼のハガキが読まれるチャンスも消えてしまう。

ラジオ北麻生も大ピンチだった。正月に予定していたぽんぽんリクエストニューイヤースペシャルの収録が間近に控えていた。それが、この不祥事で急遽穴埋め番組が必要になったのだ。しかし、今から新しい企画を立てる暇はない。

「ここでリスナーの皆さんにお願いです」とアナウンサーの声が続いた。「賞金百万円でネタを募集します。皆さんからの素敵なネタをお待ちしています!」という告知が流れた瞬間、小田ブーツの心に火がついた。

これは彼にとっての大チャンスだった。賞金百万円という金額も魅力的だが、何より彼のネタがついに大きな舞台で披露される可能性が生まれたのだ。失恋、経済的な困難、家族からのプレッシャー、これまでの全ての困難を乗り越えるチャンスが、ここにある。

小田ブーツは急いで店を出た。彼は自宅に戻り、これまでに書いたネタを見直し、新しいアイデアを練り上げるために一晩中頭を悩ませることになる。これは彼にとって、ただのコンテストではない。これは、彼の人生を変える一大イベントだった。

しかし、失恋の痛手は予想以上に小田のメンタルを傷つけていた。酒を飲みながらノートパソコンの前に座るものの、一文字も書けない。小田はメイド嬢との思い出をネタにしてラブコメを書こうと考えたが、心はただただ重く沈んでいた。それしか小田にはないのだと自分に言い聞かせるものの、思い出は彼をさらに苦しめるだけだった。

締め切り日はどんどん迫る。その度に、彼の不安は増していった。そして、両親からの「新しい彼女は見つかったかい?」というメールが矢のように彼を射抜く。小田は必死に笑顔の写真を探し、何とか返信をし続けたが、心の中はもはや荒れ地のようだった。

メイド喫茶出入り禁止をされてしまった小田は、新しい店を開拓することも出来ず、金もない。彼はどんどん深みにはまっていく。部屋の中で一人、彼は自分の人生を振り返った。メイドカフェでの失敗、家族からの期待、そしてラジオネームとしての挫折。すべてが彼を圧倒していた。

夜が更けていく中、小田はふと窓の外を見た。外は静かで、街の灯りが遠くに見える。彼は深くため息をついた。そして、ふと思いついた。彼は再びパソコンに向かい、キーボードを打ち始めた。

「失敗から学ぶ。それが人生だ。」小田は心の中でそうつぶやいた。彼はメイドカフェでの失恋をネタにするのではなく、自分の失敗とそれから学ぶこと、そして前に進むことをテーマにしたストーリーを書き始めた。

新しい朝が来たとき、小田はネタの原稿を完成させていた。彼の心はまだ重いが、少なくとも彼は何かを成し遂げた。彼は原稿を封筒に入れ、最後の力を振り絞ってポストに投函した。

これが彼の最後のチャンスかもしれないと思いながらも、小田は心のどこかで、新しい始まりを感じていた。
「ジャジャーン♪ラジオ北麻布新春特別ラジオドラマ『話題のお陀仏』原作:小田ブーツ。声の出演は…」とうとう本番が始まった。

小田ブーツは緊張と興奮で自分の部屋のラジオに釘付けになっていた。彼の原稿が、なんとラジオドラマとして実現されているのだ。彼の書いた言葉が、プロの声優によって命を吹き込まれ、数多くのリスナーに届けられている。

ドラマは、小田ブーツの実体験に基づいていた。失敗と挫折、そしてそれらから学び、前に進む勇気を描いた物語だ。彼の心の中にある葛藤、苦悩、そして希望が声優たちの表現を通じて生き生きと描かれていた。

小田ブーツは感動で涙がこぼれた。彼がこれまでに経験した挫折や苦悩が、今、彼自身の創作として花開いていたのだ。彼は自分の失敗を受け入れ、それを力に変えることができた。

ラジオドラマが終わると、DJの声が流れた。「皆さん、いかがでしたか?この素晴らしいラジオドラマ『話題のお陀仏』、原作は小田ブーツさんです。小田さん、素晴らしい作品をありがとうございました。これからもあなたの活躍を期待していますよ!」

小田ブーツは深く息を吐き出した。彼はこれで終わりではない、これからが始まりだと強く感じていた。彼の人生はまだまだこれからだ。挑戦と成長の道は続いていく。彼は新たな気持ちで次のステップへと進む準備を始めたのだった。

ブーツ星のラジオ局『キタアザブー』は経営難に陥り、閉局の危機に瀕していた。局のディレクターたちは頭を悩ませ、最後の手段として斬新な企画を考案した。それは、「女子アナだけの探検隊」を組織し、大自然が支配する過酷な惑星へ送り込み、そこでの体験を生レポートするというものだった。

選ばれたのはワダイ星。この惑星は地殻変動による自然の脅威が絶えず、荒々しい自然が広がるダイナミックな場所だった。女子アナたちは、華やかな服装とキャピキャピのノリで、火山の噴煙や荒れ狂う海の様子をレポートし始めた。彼女たちのレポートは一時的に視聴率を上げ、局内には一時の安堵が広がった。

しかし、予期せぬ事態が発生する。ワダイ星の先住民たち、未知の種族に囲まれてしまったのだ。先住民たちは探検隊の活動を侵略とみなし、彼女たちを捕らえ、見せしめとして彼女たちが乗ってきた宇宙船を破壊した。

局はこの事態に驚愕し、女子アナたちの安全を最優先に救出作戦を開始。しかし、惑星の過酷な環境と先住民たちの敵意は、救出を困難なものにしていた。女子アナたちは、未知の文化や環境の中で生き残る術を模索しながら、絶体絶命のピンチに立たされていた。

この一連の出来事は『キタアザブー』のラジオ波を通じて宇宙中に伝わり、ブーツ星全体に大きな衝撃を与えた。一方で、女子アナたちの勇敢なサバイバル挑戦は多くのリスナーの心を捉え、ブーツ星の人々は彼女たちの無事を願い、団結するきっかけとなった。

この事態は、『キタアザブー』にとって経営危機を乗り越えるための意外な転機となったのだった。
「ホエホエ。ワテが大長老オーダ・ブッだす。あてらサンには2つのプランがおます」
ワダイ星の長老による二択の提案は、女子アナたちにとって予想外の展開だった。追放か、それともこの星の神である小説神『お陀仏』に仕えるかの選択だった。一同は当惑し、混乱する中、祥子が前に出た。

「私はここにとどまるわ。だって、私の帰る場所はここにしかないんだもの」と祥子は決意を新たに宣言した。彼女の言葉は他のメンバーにも影響を与えた。「じゃあ、この世界の人間に生まれ変われるよう、私がお願いしてみるから。もう、いいわよね? この子に用はないはずよ」と続けた。

しかし、エヴァは頑迷だった。「駄目よ。あたしも手伝う。生まれ変わるんではなく、私達は還るのだ。この世界に生きる資格がない者でも生きていける世界への入り口を見つけてあげる」と彼女は断言した。

そうして、祥子、エヴァ、そして他のメンバーは力を合わせることに決めた。エヴァーソル=ハーベルが「神眼の導きがあれば造作もないことよ。見なさい」と言い、彼女が目を細めながら両手を掲げると、周囲の風景が変化し始めた。

周囲は地下の駐車場のような場所に変わり、天井は高く照明がついている。壁には大型のモニタが複数並び、様々な映像が流れていた。「この世界には、この星にはどんな生物がいたと思う?」エヴァが尋ねた。

「鳥のような姿をした知的生命体、かしら?」とハーベルトが推測したが、エヴァは首を振った。「そんなものはただの伝説だと思ってた。だが違う。それは確かに実在したんだ。この世界で進化した生物のごく一部に過ぎないがな」と彼女は言い、映像を流し続ける巨大モニタを指差した。

画面に映し出されたのは荒涼とした地上の様子だった。「これは地上の様子。地球の表面は水に覆われていて海と呼ぶ。これが海洋だ。こっちは砂漠だ。生命が生きていくためには水が欠かせない」とエヴァは説明した。

「じゃ、じゃあこの惑星には、水が、液体があるって言うんですか?」ハーベルトが尋ねると、エヴァは肯いた。「信じられない。恒星間の距離を飛び越えてなお、ここまで似せることができるとは……」

「じゃ、じゃあどうして地表に植物とか草木がなかったの?」ハーベルトがさらに質問した。エヴァは鼻を鳴らしながら答えた。「あるわけないだろう。あんな環境の悪い場所にわざわざ種を運んでいくような生物がいるものかね。動物もそうさ、この世界では大型哺乳類は進化していない。それなのになんという種類の動物なのか一目瞭然なんだ」と。

続いて、エヴァはさらに言った。「もっとすごいものもある。見てごらん。この生き物、わかるかい? この大きさと形はまるで……。まさか?」祥子とハーベルトは絶句した。画面に映し出されたのは、恐竜だった。しかし、それは白亜紀後期のティラノザウルスよりも二回り以上大きく、ティラノサウルスに似た頭部と胴体を持ちながらも、長く鋭い尾を持ち、後肢を使って器用に歩き回っていたのだ。

「これはジュラ紀に栄えたディケラトプスと呼ばれる恐竜に似ているが別系統の存在らしいね。それにしても興味深い。これだけのものを作り出せる文明があったというならぜひ知りたいものだね」とハーベルトが言ったが、エヴァはそれを否定した。

彼女の表情はいら立ちを通り越して恐怖を覚えているようだった。「私はもううんざりよ! ただでさえ疲れてるのに、こんな幻覚を見させられる身にもなりなさいよ!」とエヴァは叫んだ。するとエヴァーソル=ハーベルが言った。「いいから、もう少しつきあいなさい。あなたに見えているのは、まだ序の口。真実はこれから始まるのだ」と。

そしてモニタの映像が変わり、今度は火山帯の風景が映し出された。「何度言ったらわかるんだ? この世界には火山活動はなかったはずじゃないか!」とエバーソルの声が悲鳴に近かった。ハーベルトも息を飲んだ。「この火砕流の跡を見ればわかるだろう。これは明らかに人工的なものだよ。それも途方もない規模だ。この世界の火山活動は、この爆発から始まったんじゃないか?」とエヴァは苦々しげに言った。

「この世界を丸ごと焼き尽くすほどの噴火……一体何があったの? いえ、誰がこれをやったの?」とエヴァは問いかけた。その時、エーファの気配が現れた。「あの時、地球は死の星となった。地殻はマグマによって引き裂かれ、地軸はずれを起こし自転が止まったため昼夜の長さが変わった。その結果四季が生まれ、この世界に動植物があふれ始めた。人類が誕生した頃にはもう世界は変わり果てていたわ。私達は何度もシミュレーションを試みた。けれど、この世界にどんな生「この世界には、この星にはどんな生物がいたと思う?」「鳥のような姿をした知的生命体、かしら?」ハーベルトは首を振った。「そんなものはただの伝説だと思ってた。だが違う。それは確かに実在したんだ。この世界で進化した生物のごく一部に過ぎないがな」エヴァは映像を流し続ける巨大モニタを指差した。画面は荒い。「これは地上の様子。地球の表面は水に覆われていて海と呼ぶ。これが海洋だ。こっちは砂漠だ。生命が生きていくためには水が欠かせない」ハーベルトは尋ねた。「じゃ、じゃあこの惑星には、水が、液体があるって言うんですか?」エヴァは肯く。信じられない。恒星間の距離を飛び越えてなお、ここまで似せることができるとは……「じゃ、じゃあどうして地表に植物とか草木がなかったの?」
彼女は呆れたように鼻を鳴らした。「あるわけないだろう。あんな環境の悪い場所にわざわざ種を運んでいくような生物がいるものかね。動物もそうさ、この世界では大型哺乳類は進化していない。それなのになんという種類の動物なのか一目瞭然なんだ」「じゃ、恐竜や原始人は……」
「いない。猿はいるかもしれないが、猿は知性を獲得できていない。そもそも彼らは二足歩行すらできないはずだ」そして、エヴァはさらに続けた。「もっとすごいものもある。見てごらん。この生き物、わかるかい? この大きさと形はまるで……。まさか?」祥子は絶句していた。ハーベルトにもその正体は分かった。
恐竜である。ただし、白亜紀後期のティラノザウルスよりは二回り以上大きい。さらに、ティラノサウルスに似た頭部と胴体に比して長く鋭い尾を持ちながらも、後肢を使って器用に歩き回っているではないか!「これはジュラ紀に栄えたディケラトプスと呼ばれる恐竜に似ているが別系統の存在らしいね。それにしても興味深い。これだけのものを作り出せる文明があったというならぜひ知りたいものだね」「いえ」ハーベルトの言葉を否定したのは他ならぬエヴァ自身であった。
彼女の表情はいら立ちを通り越して恐怖を覚えているようだ「私はもううんざりよ! ただでさえ疲れてるのに、こんな幻覚を見させられる身にもなりなさいよ!」するとエヴァーソル=ハーベルが言った。「いいから、もう少しつきあいなさい。あなたに見えているのは、まだ序の口。真実はこれから始まるのだ」そしてモニタの映像が変わる。今度はどう見ても火山帯の風景であった。「何度言ったらわかるんだ? この世界には火山活動はなかったはずじゃないか!」エバーソルの声音は悲鳴に近い。ハーベルトも息を飲む。「この火砕流の跡を見ればわかるだろう。これは明らかに人工的なものだよ。それも途方もない規模だ。この世界の火山活動は、この爆発から始まったんじゃないか?」エヴァは苦々しげに言った「この世界を丸ごと焼き尽くすほどの噴火……一体何があったの? いえ、誰がこれをやったの?」その時、エーファの気配が現れた。「あの時、地球は死の星となった。地殻はマグマによって引き裂かれ、地軸はずれを起こし自転が止まったため昼夜の長さが変わった。その結果四季が生まれ、この世界に動植物があふれ始めた。人類が誕生した頃にはもう世界は変わり果てていたわ。私達は何度もシミュレーションを試みた。けれど、この世界にどんな生物が住むことができるのかは分からなかった。私達は自分達の世界を捨て、ここへ移住することに決めた。そして長い歳月をかけながら徐々に世界を変えていった」エヴァの顔色は真っ青になっていた。祥子も同じだったに違いない。彼女達のいた世界にそんなことが起こったとは……エヴァの言葉によって、祥子とハーベルトの驚愕は更に深まった。彼女たちのいた世界が、そのような壮絶な変化を経験していたとは思いもよらなかった。

「私たちがいた世界はもう存在しない。だからこそ、私たちは新たな生をこのワダイ星で見つけなければならないの」とエヴァは続けた。彼女の声には、ある種の決意と諦めが混ざり合っていた。

祥子はその言葉を受け止め、深く考え込んだ。彼女にとって、地球は遠い過去の記憶でしかなかった。今はワダイ星が彼女の新しい家だ。エヴァの提案に従うことに決めた祥子は、ハーベルトにも同意を求めた。

ハーベルトは一瞬躊躇したが、やがて頷いた。「わかった、エヴァ。あなたたちと一緒に新しい生を始めよう」と彼は言い、三人は未知の世界への旅を始める決心を固めた。

彼らの目の前に広がるモニターには、ワダイ星の荒涼とした風景が映し出されていた。火山の噴火、大地の裂け目、荒れ狂う海。しかし、その中にも生命の息吹が感じられた。彼らはこの厳しい環境の中で生き抜く術を見つけ、新たな始まりを切り開くことを誓った。

エヴァーソル=ハーベルは彼らに向かって言った。「この星には多くの試練が待っている。しかし、私たちは生き残る。そして、新しい世界を築くのだ」。彼女の言葉に力が宿っていた。

そうして、彼らの新たな冒険が始まった。ワダイ星の厳しい自然と向き合いながら、彼らは生きるための知恵を学び、新たな人生を築いていくことになるのだった。
こうして、かつてブーツ星のラジオ局『キタアザブー』の女子アナたちは、ワダイ星の三大お陀仏となった。彼女たちの姿は、溶岩台地を見下ろす巨大な像として、ワダイ星の地に永遠に刻まれた。この像たちは、創造力とインスピレーションの象徴とされ、訪れる者にヒット作をもたらすと信じられていた。

それ以来、小説家、詩人、アーティストたちが遠くからこの地を訪れるようになった。彼らは三大お陀仏の前で静かに祈りを捧げ、創作のインスピレーションを求めた。お陀仏の像は、彼らに新たなアイデアや物語の種を吹き込み、創作活動に新しい息吹を与えた。

そして、その地はもはやただの惑星ではなく、創造と芸術の聖地として知られるようになった。ブーツ星だけでなく、遠方の星々からも参拝客が絶え間なく訪れ、彼女たちの伝説は宇宙中に広まった。

小田ブーツの作品「話題のお陀仏」は、この奇跡の一部として語り継がれ、彼の名はブーツ星を超えて宇宙中に知られるようになった。彼の作品は、多くの人々にインスピレーションを与え、夢を持つ者たちに希望の光を照らし続けた。

こうして、小田ブーツの物語は、創造の力と決して諦めない心の象徴として、永遠に語り継がれることとなった。おわり。

 
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