第561話 体力測定?なのかな?
バートさんがサーヤたちに運動してもらうって。
運動?サーヤ、運動はちょっと苦手だな。
『手足短くて頭重いからなぁ』
なんですか?おいちゃん、まだ二歳だから仕方ないんですよ。
『そうだな。仕方ないな⋯』
『あらあらまあまあ、立派なかわいい幼児体型だものね。でも、体力測定って何するの?昨日までと比べようにもやったことないでしょ?』
『そうだな。比べようがないよな』
『でしょう?』
「ほえ?」
たしかに~
『⋯そうですね』
『バートさん、その間⋯』
『あらあらまあまあ⋯もしかして気づいてなかったのかしら?』
「ほえ?」
ぴゅきゅ?『『そうなの?』』
しっかり者のバートさんが?
『⋯そんなことはありませんよ』にっこり
ひゅお~
『『⋯ソウデスヨネ』』ぶるっ
「ふおお?」
おばあちゃんたち固まっちゃった?
ぴゅきゅ『『どっち~?』』
そうだよね?結局どっちなんだろ?
『みんな、こういう時は何も言わなくていいだよ』
『『『そ、そぅだね』』』
「ふおお~」
『『さすが兄ちゃんなんだな』』
ぴゅきゅ『『わかった~』』
さすがぽぽちゃん。お兄さんです!
『え、ええ?そんなことないだよ?』
さすがです!
『こほん。それでです。いつも一緒にいるゲンさんと凛さんに案を練ってもらおうかと思いまして』にっこり
『え?』
『あらあらまあまあ?』
バートさん丸投げ!
『そ、そうだな、幼児用の体力測定って言うと、一般的なやつだと、二十五メートル走、立ち幅跳び、ボール投げ、反復走、連続跳躍とかだっけかな?あんまり覚えてないな』
『でもそれ確か四歳以上じゃなかったかしら?』
『あ、そうだな。どうすっかな?いつもやってることだと~』
ぐる~っとちびっ子着ぐるみドラゴン軍団を見るおいちゃん。
ぴゅい『モモと』
きゅい『スイは』
ぴゅいきゅい『『ほんものドラゴンだよ!』』えっへん!
『すまん。そうだな』
ぴゅきゅ!『『いいよ!』』えっへん!
『あらあらまあまあ、ポッコリぽんぽんがかわいいわ』なでなで
ぴゅきゅ『『えっへん!』』
わあ~おばあちゃんがモモとスイのぽんぽんなでなでしたら、さらにぽっこん!
『う~ん、みんながいつもしてること?畑仕事に魔法の練習?』
『う~ん、あとは、遊びかしらね?』
『それなら⋯』
『何です?』
『何だ?』
『『『何すんだか分からんが』』』
『『『手伝うよ』』』
『『もちろん私達もお手伝い致しますわ!』』
『ニャーニャもにゃ!』
『うふふ、私もぉ』
きゅるる『結葉様は見てるだけが平和』
『ええ~ひどぉい』
『『『ひどくない(にゃ)ですわ!』』』
なんか、大人たちが顔を寄せあって、あーだこーだ言ってます。
「うにゅ?」
ぴゅいきゅい『『なにするのかな~?』』
きゅるるん『『『さあ?』』』
きゅるるん『『『『なんだろ~?』』』』
『『『さあ?なんかドキドキなんだな』』』
『『『ちょっと、こわぃ⋯』』』
そうだね~
『こうなってくるとハク坊たちもやってもらいたいねぇ』
『たしかに!コロコロしてかわいいだろねぇ』
『でもさ、ちびちびっこたちとハク坊じゃ体格違いすぎるんじゃないかい?』
おかみさんたちが、ここにいないハクたちにもやらせたいって。
ますます何をする気なのかな?
『そこはよ、今回は競走じゃなくて個人の力量を見るんだろ?な?バート様』
『そうですね』
『そうだな。なら、同じでもいいのか。なんなら、フェンリル家族でやるとかな』
『おお!それいいじゃないか?』
親方たちもなんか盛り上がってるね?
『んじゃよ、俺ら必要なもん作ってくるからよ』
『それがなくても出来るもん先にやってくれ』
『アイナ様、リノ様、ニャーニャ、録画頼むぞ』
『そうだよ。私らも見逃したくないからね』
『失敗したら承知しないよっ』
『じゃあ、行ってくるよ』
『『『頼んだぞー!』』』
『『『頼んだからねーっ!』』』
どどどどどどどっ
『『お任せくださいませーっ⋯て、聞こえてますかしら?』』
『もう見えにゃいにゃ』
言うだけ言って行っちゃったよ。
『うふふ。じゃあ~準備体操行ってみましょう~。ゲンさぁん』
なぜか結葉様が進行役?
『あ~まずは、畑の横に移動だ。新しい畑作るぞ』
「あ~い」
『『『『『は~い』』』』』
ん?それが体力測定?
『それじゃあ、一人目。サーヤ!』
「うにゅ?あい!」ビシッ
よく分からないけどサーヤから?おてて上げて良い子のお返事!
『よし。これからサーヤには畑を耕してもらう!』
「う?」
ぴゅい『それって』
きゅい『いつもとおなじ?』
「あい」
だよね?いつもやってるよね?
『そう。いつも通り、丁寧に、お前の力を練り込んで耕すんだぞ』
「あい」
それ、やっぱりいつも通りだよね?
『ただし!』びっ!
「うにゅ?」
ただし?おいちゃんの人差し指が、びっ!何かな?
『妖精たちの力を借りずに、一人でやること!』ビシィッ!
『『『『『『ええええ~っ!?』』』』』』ぼこぼこぼこっ
『うおっ!?』びくっ
「ふおっ!?」びくうっ
つ、土の妖精さんたち?びっくりした~
『『『『そ、そんなぁ』』』』がくっ
『『『『ぼくたち⋯』』』』
『『『『用無し?』』』』
『『『『そ、そんなぁ~』』』』だばだばだ~
「ふええ?」
な、泣いてる?
『違う違うっ今回だけだ!後でちゃんと遊んでいいからっ』
『『『『『ほんと?』』』』』ぐすっ
『ああ、ほんとだ』
『『『『わかった~』』』』ずびっ
「ふお~」
良かった、泣き止んでくれた~。
『こほん。それからもうひとつ』ぴっ!
「う?」もうひとつ
『時間制限付きだ!一分間でどれだけ耕せるか!』
「ふおお!?」ずざっ
い、一分?
『そうだ。知りたいのはサーヤの力がどれだけ強くなったか?だからな。でも、手は抜くなよ。ちゃんと新しいの育てるからな』
「あ、あい!」
なんだか、せきにんじゅっさい!
『責任重大な』
「しょーちょもゆー」ふい~
『あらあらまあまあ⋯』なでなで
な、なんですか?
『まあ、とにかくがんばれ!』
「あい!」
頑張ります。
『お~い!トレちゃ~ん!そういうことだから移動頼むぞ~足りなかったら逃げてくれ~』
わさわさ『了解した』
ん?前より言葉がはっきり?とにかく
「いちびゃん!さーやいきまっしゅ!」びしっ!
ぴゅいきゅい『『がんばれーっ』』
『『『がんばるんだな!』』』
『『『しっ、しっかり!』』』
きゅるるん『『『フレーフレー!』』』
きゅるるん『『『『サ・ー・ヤ!』』』』
『『『『『わあ~』』』』』
しゃわしゃわしゃわしゃわ~
わ~?いつの間にボンボン?
応援もしてもらったから頑張るよ!
「あい!みぎよち!ひぢゃりよち!うえよち!ちたよち!」
確認大事!それじゃあ、いっくよ~!
「こーうんきー!」
ぐりゅんぐりゅんっ!すざざざざざっ
「いーち、にー」
一分だから、六十数えたらいいよね?
『なっ!?トレちゃんたちっ逃げろーっ!』
わさわさわさっ『『『『ワーっ』』』』シャカシャカシャカっ
ぴゅきゅ『『わあ~』』
きゅるるん『『『『『『『すご~い』』』』』』』
『『『ぅ、ぅん』』』
『『『はやいんだな』』』
ずどどどどどどどっ
「きゅーう、じゅー」
まだまだだね~
『あらあらまあまあ?これ、一分やるの?』『そうねぇ?』
『『何を悠長に仰ってますのっ!?』』
『止めるにゃっ』
わさわさ『『『『ギャーっ』』』』シャカシャカシャカっ
『トレちゃーんっ』
なんか、うるさい?
『そうですね。サーヤ、止めましょうか』にっこり
「う?」
まだ三十も数えてないよ?
『充分ですよ』にっこり
「あい」
そう?なら止めるね
ピタッ
わさわさ『『『『ハァハァ』』』』
『ト、トレちゃんたち、すまん。大丈夫か?』
さわさわ『ナ、ナントカ⋯』ゼェゼェ
『そ、そうか』
「うにゅ?」
どうしたのかな?
ぴゅいきゅい『『サーヤ~』』ぱたぱた
きゅるるん『『『見てみて~』』』
きゅるるん『『『『すごいよ~』』』』
「うにゅ?ほああ?」
あれえ?なんか端っこが遠いいね?
『『『すごいんだな~』』』
『『『ぅ、ぅん』』』
そうかな?えへへ
『あらあらまあまあ⋯サーヤ、がんばったわね』なでなで
「えへ~?」
『間違いなく、パワーアップしてるわねぇ』
『サーヤ、疲れてはないのか?』
アルコン様が抱っこして聞いてくれます。
おいちゃんは、
『トレちゃん、すまん』ぽわっ
さわさわ~『大丈夫』
癒しの魔法をかけに行ってます
「あい!さーや、げんき!」
全然なんともないよ!
『そうか。よくやったな』なで
「えへへ」
なんか、いっぱい褒められてる~
『アイナ、いつもの何倍くらいでしょうか?』
『分かりませんわ、お姉様。でも、こんなに速くてもちゃんと耕せてますわ』
『五倍じゃきかないんじゃないかにゃ?』
『そうですわね』
『まあ⋯』
アイナ様たちもなんか言ってます。
『ふむ。それじゃ、次いってみましょう。次は』
『モモとスイと、ぽぽたちと、ツムたちだな。いつもみたいに畑に畝を作ってくれ』
『『『はいなんだな』』』
ぴゅいきゅい『『は~い!』』
『『『は、はぃ』』』
ぽぽちゃんたちはもちろん、よくお手伝いするモモとスイと、ツムちゃんたちも得意です!
「がんばりぇ~」
きゅるるん『『『フレーフレー』』』
きゅるるん『『『『み・ん・な!』』』』
『『『『『わあ~』』』』』
ふりふりふり~
今度はサーヤも応援だよ!
『じゃあ、区切るかな。よっ』
おいちゃんが、八つにサーヤが作った畑を区切ったよ。
一人ずつ位置について、ツムちゃんたち小鬼ちゃんたちだけ鍬持って、他はみんな素手です!
『それじゃ、どれだけ速く畝が作れるか時間測るな。位置について用~意、どん!』
しゅぱしゅぱしゅぱしゅぱ
「ほわ~」
きゅるるん『『『『『『『こっちもすご~い』』』』』』』
ほんとだね~
ぽぽちゃんたちは自分達のお手々でシュパパパパッとすごい勢い!
畑を泳いでるみたいです!オレンジドラゴンが泳いでます!
ツムちゃんたち小鬼ちゃんたちは鍬で地道に⋯ではなく、超高速で耕してます。鍬がぶれて見えます。
モモとスイは~
ぴゅい~『ばびゅーん』
きゅい『ぼふーん』
あれは~
『ドラゴンブレスをあのような使い方するドラゴンは、恐らく我が子らだけだろう⋯』
『そうでしょうね⋯』
あ、やっぱりそうなんだ?アルコン様とバートさんが、複雑そうな顔で見てます。
モモとスイは器用に向かい合わせに飛んで、土を吹き飛ばして、長いお山を作ってる感じです。そんでもってやっぱり
『いつもの五倍くらい速いのに息ぴったりだな~』
「しょだね~」
あっという間~。一番は
『ぽぽちゃんは流石ですわ』
『そうですわね。つくしちゃんとなずなちゃんも速かったですわ』
『すごいにゃ!』
さすが畑仕事のプロです!
『『『て、てれるだよ~』』』ふりふり
「かあい♪」
ドラゴンしっぽが揺れてるよ
『小鬼ちゃんたちもすごかったわよねぇ』なでなで
『あらあらまあまあ、お顔が真っ赤っかね』
「ほんちょら」
『『『ぅぅぅ⋯』』』
照れ屋さんばっかりだね。
『モモとスイもよくやったな』
『ええ。世界一息ぴったりな双子でしょうね』
ぴゅいきゅい『『なかよち!』』えっへん!
うんうん。すごいよね!
『しかし、サーヤほどじゃないけど、みんなスピード上がってるのに息切れてないな』
『そういえば、全然疲れてないんだな』
『おいらもなんだな』
『わたちもだよ』
『『『ぼ、ぼくらも』』』
ぴゅいきゅい『『げんき!』』
ほんとだ~みんな元気!
きゅるるん『『『おいちゃん!』』』
きゅるるん『『『『わたしたちは?』』』』
『あ、そうだな。最後、みんなで種まくぞ!』
きゅるるん『『『『『『『がんばる!』』』』』』』
『あらあらまあまあ、何の種をまくのかしら?』
『まずは、実はプロが子供に食べさせたい野菜一位なのに、今まで作ったことがなかったやつだ。それと、やっぱり上位にいるのに作ってなかったやつだな』
『あらあらまあまあ、それってもしかして』
『『モロヘイヤと小松菜』』
『やっぱり。サーヤは小松菜より、ほうれん草が好きだからついついそちらにしてしまうけど、栄養価的には小松菜がいいのよね』
「うにゅ~」
だって見た目一緒なら美味しい方がいいでしょ?
『小松菜だって美味いんだぞ』
「うにゅ」
知ってるよ
『モロヘイヤはね、ネバネバ素材だけど、やっぱりオクラが多かったかしらね』
『なら、オクラも作るか』
『あら!うれしいわ』
『あとは体にいいヤツ⋯インゲン、アスパラ、ビーツ、ケール?』
『あらあらまあまあ、ビーツとケールは癖あるわよ?』
『まず大人に食べさせよう』
『そうねぇ。あとは、枝豆があるから忘れてたけど、そら豆とか?ひよこ豆とか?』
『ああ、そういえばなかったな』
『そうよね?』
『と言うことでサーヤ。今言った種全部頼むな』
「あ、あい⋯」
ケール、出さなきゃダメ?
『まあまあ、まずは大人で試すから』
「うにゅ~」
わかったよ
「たにぇ、でりょ~」
ザバザバザバ
「あ、ありゃ?」
で、出すぎ?
『ふむ。やっぱり、パワーアップしてますね』
『だな』
というわけで、種まきまでした結果
きゅるるん『『『ぜんぜん』』』
きゅるるん『『『『つかれなかった!』』』』
「あい」
みんな、体力あっぷしてました。
あれ?親方たち、何か作ってたよね?ま、いっか~
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