第13話「アへアへダンジョン(終)」
タカシとシェリーは、超絶怒涛エクスタシースケベを終えた後に再び道を進んでいた。そしてそれから数分が経った頃……。
「あれ?行き止まり?」
「みたいだね……ん?何だあの宝箱は?」
2人が辿り着いた先は行き止まりであった。しかしそこには1つの宝箱が置かれていたのだ。
「気になるな……よし!開けてみよう!」
そう言ってタカシは宝箱に近づいていき、そしてシェリーもそんな彼についていった。
「開けま~す」
タカシはそう言いながら宝箱を開けた。
「ぬお!?何だこれは!?」
宝箱の中に入っていたのは、黄金に輝く1本のバナナであった。
「うわ~……きれ~い」
バナナを見ながらそう呟いたシェリー。その一方でタカシの方はバナナをスッと手に取り、間近でジーッと吟味した。そしてここでタカシの保有するスキル【鑑定】が発動した。
~ゴールデンバナナ~
・世界各地にあるダンジョン内で稀に発見できるバナナ。100000Wの価値がある。
「…………シェリー……これ売ったら100000Wになるよ」
「ええ!?そんなに!?というかどうして分かるの!?」
「俺の持ってる鑑定スキルがそう言ってるんだ」
「鑑定スキル?何それ?」
「女神様から授かった多数のスキルの内の1つさ」
「女神様?へえ~……何か良く分かんないけど便利そうだね」
「ああ、中々に便利だよ、さて、それよりこのバナナちゃんは旅の軍資金にするために頂いていくとしよう」
タカシはポーチにゴールデンバナナをしまった。そしてその後シェリーと共に来た道を戻っていった。
「───さて、戻ってきましたよ」
タカシとシェリーは再び、先程来た3つの分かれ道の前に来ていた。
「タカシ、今度はどっちの道へ進む?」
「う~ん……じゃあ……真ん中で!」
「分かった」
2人は真ん中の道へ進んでいった。そしてある程度進んだところで、2人は地面に無数の白骨が落ちているのを見つけた。
「やだ……これ人の骨じゃない……?」
シェリーは不安気な声でそう言った。
「ああ……みたいだね……」
タカシは神妙な顔つきで彼女にそう返事を返した。
「タカシ……私なんかすごい嫌な予感がする……」
「嫌な予感?」
「うん、この先になんかとてつもなくヤバいものが潜んでるような……そんな気がするの……」
「ハッハッハ、平気だって、もしそんなヤバいやつがいたとしても俺が瞬殺してやるさ、さ、先へ進もう」
「う、うん……」
その後2人は奥へ奥へと進んでいった。そして全長20mはありそうな巨大な蜘蛛の様なモンスターに遭遇した。
「フハハハハ、よくぞここまできたな人間、私はこのダンジョンの主、ハングリースパイダーだ、好物は人間のエキス、という訳で貴様らのエキスを頂く」
ハングリースパイダーは、そう言った直後に、タカシとシェリーに向けて口から糸を吹き出した。
「ぬお!?」
「きゃ!?」
タカシとシェリーは体に糸を巻き付かれた事により身動きが取れなくなった。
「フハハハハ!!身動きが取れない間にエキスを頂くとするぜ!!」
ハングリースパイダーはそう叫びながら2人にゆっくりと近づいていった。
「くっ……!!動けない……!!」
必死にもがくシェリー。
「……フンッ!!」
シェリーがもがく中でタカシは、いとも簡単に糸を千切った。
「なにぃ!?私の糸をいとも簡単に千切っただと!?」
ハングリースパイダーは糸を千切ったタカシを見て非常に驚いた。
「フンッ!!やわな糸だったぜ!!さて!!今度はこっちの番だ!!」
タカシはそう叫びながら腰に下げていた剣を鞘から抜き、ハングリースパイダーに"竜巻旋風斬り"をお見舞いした。
「ウボァー!!!!!」
竜巻旋風斬りを喰らったハングリースパイダーは激しい断末魔をあげて絶命した。そしてここでタカシのレベルがアップ。
タカシ/Lv520
職業:魔法剣士
HP:56000
MP:49000
攻撃力:56000
防御力:48000
魔力:44000
素早さ:43000
知力:58000
器用さ:530000
運:43000
⬇️
タカシ/Lv800
職業:魔法剣士
HP:71000
MP:68000
攻撃力:72000
防御力:62000
魔力:67000
素早さ:69000
知力:78000
器用さ:720000
運:73000
「また強くなっちまった……あ!そうだ!シェリー!」
タカシは慌てて糸で拘束されてるシェリーの元に駆け寄り、糸を千切って解放してあげた。
「ありがとうタカシ」
「シェリー、大丈夫?怪我はない?」
「ううん、平気」
「そっか、それなら良かった」
シェリーが無傷だと知り、安堵の表情を浮かべたタカシ。
「あ!見てタカシ!向こうに扉がある!」
シェリーはタカシの後ろを指差しながらそう叫んだ。そしてタカシは後ろに振り向いた。するとそこには確かに扉があった。
「お!本当だ!出口かな?」
「とりあえず開けてみよ?」
「うい」
2人は扉に近づいていき、扉を開けた。開けた先に待っていたのは新鮮な空気の流れる外であった。そう。2人は遂にアへアへダンジョンから抜ける事に成功したのだ。
「やったー!遂に出れたね!」
「イエーイ!!アイムハッピー!!サンキュー!!うぇうぇうぇwwww」
2人は声を大にして喜んだ。そしてその後アグネスタウンを目指して足を進めていった。